米航空宇宙局(NASA)は2月12日(現地時間)に予定されていたスペースシャトル「ディスカバリー(Discovery)」の打ち上げを19日以降に延期すると発表した。メインエンジンのフローコントロールバルブ(FCV: 水素ガス加圧ライン流量調節弁)について最終的な安全確認を行うためだという。

問題となっているバルブは、ローンチ(発射)の際、エンジンから外部燃料タンクに水素ガスを送る役目を果たすもの。昨年11月に打ち上げられたシャトル「エンデバー(Endeavour)」では、3つのバルブのうちの1つが損傷していたことがミッション終了後に判明している。このため、ディスカバリーでは、同じバルブを取り外して検査し、新たに取り付ける作業を行っていた。

NASAのスペースシャトルチームは10日に会議を行い、12日に当該バルブの安全性と正式な打ち上げ日について発表する予定だ。

「STS-119(15A)」と名付けられた今回のミッションの最重要任務は、国際宇宙ステーション(ISS)に最後の太陽電池パネルを取り付けること。すでに過去3回のミッションを通して12のパネルが取り付けられてきたが、計16パネルとなる今回のミッションをもって完了となる運びだ。飛行期間は14日間。また、搭乗クルー7名の中には、初の日本人長期ISS滞在(6カ月間)となる若田光一氏も含まれている。

米フロリダ州にあるケネディ宇宙センターの発射台「39A」に設置され、しずかに出発の瞬間を待つディスカバリー