パナソニックは3日、薄型テレビ「VIERA(ビエラ)」の「Z」「V」「G」シリーズ、計13機種の新製品発表会を開催した。会場には、イメージキャラクターである女優の小雪と、綾瀬はるかがゲストとして登場した。

西口史郎 パナソニック 役員 デジタルAVCマーケティング本部 本部長「新ビエラで、不景気を吹き飛ばしたい」と意気込みを語った

まず、西口史郎 パナソニック 役員 デジタルAVCマーケティング本部 本部長が登壇し、「地上デジタル放送の停波まで約30ヶ月となった今年、不況のなかでも、薄型テレビ市場は大幅な需要拡大が見込まれており、2011年7月には6000万台の市場規模に成長すると予想される。これに伴って、薄型テレビの周辺AV機器におけるデジタル化とともに、デジタルネットワーク環境の整備が急速に進んでいる」と薄型テレビ市場の国内概況とデジタルネットワーク化の拡大について語った。そこで、パナソニックでは「新・ビエラ宣言」と銘打ち、「テクノロジー」「エコロジー」「デザイン」「リンク」の4つを軸とした商品戦略を発表した。なかでも、デジタルネットワーク化の推進を意味する「リンク」について「今回の新ビエラは、時代を先取りしたリンク型テレビ、いわば”つながるテレビ”へと、さらに進化を遂げている」(同氏)と語った。今後は市場を牽引すべく、ビエラによって”テレビが変わり、生活が変わる”としており、薄型テレビ市場におけるフェーズチェンジを掲げた。

「ビエラ」のイメージキャラクターである小雪(右)と、「ビエラにリンク!」イメージキャラクターの綾瀬はるか(左)が登壇した

また、プロモーション解説ではイメージキャラクターについて、「ビエラ」では小雪を、「ビエラにリンク!」では綾瀬はるかを、引きつづき起用するとした。

今回発表された3シリーズは、すべてフルハイビジョンパネルを採用したモデル。また、搭載されているチューナーは地上/BS/110°CSデジタル×1と地上アナログ×1。

Zシリーズは、ディスプレイとチューナーユニットを分離型にした超薄型プラズマテレビ。ディスプレイ部のフルフラットなキャビネットは最厚部でも24.7mm(TH-P46Z1は49mm)となっている。標準状態では、チューナー部分とディスプレイ部分とはHDMIケーブルで接続するが、オプションのフルハイビジョンワイヤレスユニット「TU-WH1J」(4月20日発売。価格はオープンで、推定市場価格は6万円前後)を使用すれば、壁掛けや壁よせといった自由なレイアウトが可能になる。なお、TU-WH1Jは、市販用テレビとして世界で初めてWirelessHD規格に基づいた無線伝送方式を採用した製品(2009年2月3日時点)。使用している周波数帯は60GHz。非圧縮にて1080pのフルHD映像と音声を、約10mの距離まで伝送可能だ。

超薄型セパレートタイプの「Zシリーズ」。フルハイビジョンワイヤレスユニットを使用すれば、壁掛けなどのレイアウトも可能になる

「Zシリーズ」では24.7mm、チューナー一体型の「Vシリーズ」でも最薄部で51mmを実現

Vシリーズは、チューナー一体型でありながら、約2インチ(プラズマモデルは厚さ55mm、最厚部は84mm、液晶モデルは51mm、最厚部は67mm)という薄さと、ビエラシリーズ中、最高の画質を特徴とするモデル。Gシリーズは、標準的なキャビネットが採用されているモデルとなっている。

薄型一体型ボディと高画質が特徴の「Vシリーズ」

新シリーズのなかでは、基本的なスペックとなる「Gシリーズ」

新モデル13機種のうち、プラズマの9機種すべてに、新開発された「ネオ・プラズマパネル」を採用。同パネルは、放電領域を拡大した新開発の電極構造と新放電ガス、新蛍光体の採用によって、発光効率を大幅にアップしたというもの。ピーク輝度のアップに加えて、各セルの予備放電の低減により、プラズマモデルのコントラスト比40,000:1を実現した。また、動画解像度も従来の900本以上から、1080本以上へと向上している。

「ネオ・プラズマパネル」の採用により、プラズマモデルのコントラスト比は40,000:1を達成

プラズマモデルの動画解像度は、1080本以上にアップ

液晶モデルの動画解像度も、プラズマ並みの900本以上へアップした

3シリーズのうち、Vシリーズのプラズマモデルにのみ「広色域プラズマパネル」と「ハリウッドカラーリマスター」機能が採用されており、デジタルハイビジョン放送の色規格ITU-R、BT-709の色域面積比120%を実現。さらにデジタルシネマの色表現領域もカバーする(Z/GシリーズはITU-R、BT-709の色域面積比100%)。なお、Z/V/Gのすべてのモデルで、x.v.Colorに対応している。

「Vシリーズ」には、「広色域プラズマパネル」と「ハリウッドカラーリマスター」が採用され、シリーズ中最高の画質を実現

V/Gシリーズの液晶モデルは、上下左右の視野角が178°のIPSαパネルを採用。表面は半光沢仕上げとなっている。また、「Wスピード」の搭載により、プラズマ並みの動画解像度900本以上を実現。フィールドごとにシーンの特徴を検出して、バックライトの明るさとガンマカーブなどを制御する「WコントラストAI」の採用により、コントラスト比も「インテリジェントバックライトコントローラー」の搭載により、20,000:1相当という、高い値となっている。

なお、Z/V/Gシリーズは、1月13日に発表されたXシリーズで初採用された省電力機構「こまめにオフ」「ECOスタンバイ」も搭載。ビエラにリンクで接続された機器も含めた省電力化が可能となる。

省電力機構「こまめにオフ」「ECOスタンバイ」を、全モデルに搭載する

さらに、アクトビラ ビデオ・フルへも対応。ビデオ・オン・デマンドサービスの利用が可能だ。また、デジタルビデオカメラで撮影したフルハイビジョンムービーの再生が可能なSDカードスロットも搭載する。

シリーズ名 方式 品番 画面サイズ 発売日 価格 推定価格
Zシリーズ プラズマ TH-P54Z1 54V型 4月20日 オープン 70万円前後
TH-P50Z1 50V型 60万円前後
TH-P46Z1 46V型 55万円前後
Vシリーズ プラズマ TH-P50V1 50V型 3月1日 40万円前後
TH-P46V1 46V型 37万円前後
TH-P42V1 42V型 30万円前後
液晶 TH-L37V1 37V型 4月15日 22万円前後
TH-L32V1 32V型 20万円前後
Gシリーズ プラズマ TH-P50G1 50V型 3月1日 35万円前後
TH-P46G1 46V型 30万円前後
TH-P42G1 42V型 25万円前後
液晶 TH-L37G1 37V型 20万円前後
TH-L32G1 32V型 14万円前後