【NASAからのおくりもの】星々に看取られて生涯最後に織り成すタペストリー

      [2009/02/02]

    1990年に打ち上げられたハッブル宇宙望遠鏡は、数々の科学的成果を成し遂げつつ、芸術的ともいえる美しい写真を地球に送り続けてきた。今回紹介する画像は2008年11月にハッブルの広域惑星カメラ(Wide Field Planetary Camera 2: WFPC2)が捉えた惑星状星雲の擬似カラー写真である。

    南天の星座・らしんばん座の方向、約1万光年先にある惑星状星雲「NGC 2818」。散開星団「NGC 2818A」に取り囲まれるようにして存在する。惑星状星雲が散開星団の中に存在するのは非常にめずらしい。赤は窒素、緑は水素、青は酸素の分布を表している

    恒星が消滅するときに放出される塵やガス、これが惑星状星雲を形成する。中心部にあるのは星の残骸で、数十億年という長い年月をかけてゆっくりと冷えていき、やがて白色矮星となる。どんな星でも惑星状星雲を作れるわけではなく、太陽くらいの質量をもつ恒星が、ちょうどこんな感じで最後を迎えるのだそうだ。もっとも太陽がこの状態になるまでには、あと50億年ほどあるのだが。

    星々の"軍団"である星団は、それほど強固な結びつきをもっているわけでなく、数億年後にはてんでばらばらに散っていく。だが、この星雲を取り囲むNGC 2818Aは例外的に星どうしの団結力が強いらしく、約10億年という長期に渡って星団として存在しているという。

    雲がたなびいてやがて散っていくように、宇宙の雲も少しずつ薄くなり、消え去る運命にある。この星雲もあと数万年 - 宇宙の時間の流れでいえば、ごく一瞬のうちに消えていく。

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