米Dellがスマートフォン市場参入の準備を進めている。経済紙の米Wall Street Journal (オンライン版)が1月29日(現地時間)付けの記事で報じた。同紙が関係筋の話として伝えたところによれば、Dellは米イリノイ州シカゴにあるオフィスの1つでGoogleのAndroidやMicrosoftのWindows Mobileをベースにした製品のプロトタイプを開発しており、早ければ来月2月にも同市場への参入を正式表明することになるという。

Dellが準備を進めているスマートフォンには2種類のモデルがあるとみられている。1つはハードウェアキーを持たないiPhoneのようなタッチスクリーン中心のもの、もう1つはキーボードを内蔵したスライドタイプの製品だ。しかしながら計画はまだ流動的で、計画自体が変更またはキャンセルされる可能性もあるという。Dellは計画発表前にBest Buyのような大規模小売店と数ヶ月にわたる交渉を行うのが通例だが、以前に携帯音楽プレイヤーを発表する準備を行っていた際には、すでに交渉が済んでいたにも関わらず製品計画を撤回した。

同市場への参入は2007年にCEOに復帰したMichael Dell氏が標榜している「コンシューマ市場への注力」の一環となるもので、プロジェクトは2007年初期の段階からスタートしていたようだ。PC市場が頭打ちとなるなか、スマートフォン市場はDellにとって新たなチャンスとなる。Dellはプロジェクト開始にあたって米Motorolaで携帯部門トップを務めていたRon Garriques氏を雇い入れており、このほかにもMotorola出身の技術者を同時期に何人か迎え入れている。製品発表が2月になるという根拠の1つはGarriques氏がMotorolaを離れるときに同社と結んだ非競合契約で、同氏はMotorolaと競合する企業やプロジェクトへの参加が制限されている。この契約が切れるのが今年の2月となる。またDellがスマートフォン開発プロジェクトを進めているシカゴは、Motorolaが本社を構える中心拠点でもある。