AppleがマルチタッチUI特許を取得、iPhoneのライバル製品との競合で有利に

 

マルチタッチUIではAppleが有利に

米Appleが申請したマルチタッチUI特許が話題になっている。US Pantent 7479949として1月20日付けで認められたこの特許には、iPhoneやiPod touchで利用されているマルチタッチ操作(ピンチやズーム)などの手法が記されている。長年にわたってマルチタッチUIを育て続けてきたAppleにとっては悲願となる特許取得だが、これは特許訴訟でAppleを保護する盾となると同時に、類似品や模倣品を攻撃するための武器ともなる。

358ページという膨大なボリュームのためすべては把握できていないが、同特許ではiPhoneのようなボタンや付属UIの限られる環境でいかに対話型UIを実現するかが説明されている。前述のようなズームやピンチによる拡大・縮小動作のほか、iPhoneでは実装されていない2本指スワイプ(画面切り替え)や回転動作など、マルチタッチの基本的な動作はほぼ網羅されている。またマルチタッチを使ったアプリケーションの動作にも触れており、例えばIM (Instant Messenger)のチャットアプリケーションでの入力方法や表示方法がサンプルとして挙げられている。

iPhoneではホームボタン以外のキーを持たないため、文字入力はソフトウェアキーボードを使うことになる。ルーペによる修正や誤入力を認識する仕組みなども明記されている。またiPhoneのIMウィンドウでは2者の会話が吹き出し形式で交互に表示される仕組みを採用しているが、これも特許の中でカバーしている。ハードウェアから、その上で動くソフトウェアまで、タッチスクリーン動作にまつわる内容を一通りカバーするもののようだ。

特許の発明者には同社CEOのSteve Jobs(スティーブ・ジョブズ)氏のほか、Appleが3年前に買収したマルチタッチやフィンガージェスチャー技術を開発する米FingerWorksのWayne Westerman氏などが名前を連ねている。また同特許について報じた米国メディアらの情報を総合すると、iPhoneが標準サポートしていないような機能、例えばブログ機能や動画カメラ機能なども特許の中で例として挙げられている。音声認識や音声をトリガーにした操作方法などについても触れられており、将来的な展開に期待できる内容となっている。

興味深いのはAppleのこれからの展開だ。マルチタッチUIはすでにタッチスクリーンやタッチパッドを内蔵するノートPCの世界では一般的なものとなりつつあり、今後さらに成長が見込まれる。先駆者として特許を取得することで、Appleにとっては今後発生する可能性のある特許訴訟で優位な立場を築くことができる。また一方でiPhoneのヒットで野放図に類似機能を搭載した製品が多数登場しており、Appleがこれらライバルを攻撃するための武器にする可能性がある。噂として上っているのがPalmが先日大々的に発表した「Palm Pre」で、iPhoneキラーを標榜する同製品をAppleがターゲットにすることになるかもしれない。

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