三菱重工業は、韓国航空宇宙研究院(KARI:Korea Aerospace Research Institute)から、同国の多目的実用衛星3号機(KOMPSAT-3:Korea Multipurpose Satellite-3)の打ち上げ輸送サービスを受注したことを明らかにした。同社が海外のカスタマから衛星の打ち上げを受注するのは今回が初めて。2011年度に打ち上げが行われる予定。

打ち上げには日本の基幹ロケットであるH-IIAロケットが用いられる予定。同社は2007年4月より、宇宙航空研究開発機構(JAXA)より事業移管を受け、製造から打ち上げまで一貫したビジネスを担う体制となっている。

今回の受注に対し、同社はこれまでの実績と信頼性の高さが評価されたことによるとしている。KOMPSAT-3は光学機器を用い、太陽同期軌道を周回し、地球の地理情報解析に必要な画像の提供や各種の環境観測などを行う。

衛星の直径は20mで、高さは3.5m。韓国から船で種子島に運ばれ、JAXAの種子島宇宙センターよりJAXAの水循環変動観測衛星(GCOM-W)と相乗りで太陽同期軌道へ投入されることとなる。

なお、同社では、海外からの衛星打ち上げ初受注を弾みに、国内外の衛星打ち上げ輸送サービス市場で、積極的に営業を展開、日本の宇宙産業の将来を開拓していくとしている。