マツダは、自動車に使用する触媒の貴金属使用量を0.55g/Lから0.15g/Lと、従来に比べ約70%削減するシングルナノ触媒を世界で初めて実用化する。同触媒は2009年より発売を開始する新型「アクセラ」に採用し、「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(SU-LEV)」を達成する。今後、シングルナノ触媒を全ての市場を対象に順次採用を拡大していくという。

シングルナノテクノロジーを活用した世界初の触媒技術

自動車の触媒の貴金属は、その表面で排出ガスの浄化反応を促進する役割を果たす。従来の触媒は、ベースとなる触媒材料上に貴金属を付着させる構造で、排出ガスによる熱で貴金属が移動、凝集して、大きな粒子になっていた。それにより貴金属の表面積が減り、触媒性能が低下するため、あらかじめ多くの貴金属を使用する必要があった。

新開発のシングルナノ触媒は、貴金属の表面積を増やすために5nm以下というより小さいサイズの貴金属の粒子を開発するとともに、触媒材料構造を独自開発することで貴金属を触媒材料に埋め込み、シングルナノサイズのまま固定する世界初の触媒構造を可能にした。その結果、貴金属が凝集することなく、希少金属の使用量を大幅に削減するとともに、過酷な使用条件でも浄化性能がほとんど劣化しない構造になっているという。