Steve Souders - High Performance Web Sites

UA Profiler test suiteの登場から3カ月。ここ最近、いくつかの改良が加えられ従来よりもベンチマーク結果が見やすくなった。Webブラウザの継続した改善を望むのであれば、氏がUA Profiler improvementsで指摘しているように定期的にUA Profiler test suiteを実行してベンチマーク結果の収集に協力したい。

Steve Souders氏はもともとYahoo!でYSlowの開発をしていた人物。Webパフォーマンスに関して造詣が深く、現在はGoogleでWebパフォーマンスに関する仕事に従事している。UA Profiler test suiteはパラレルコネクションやキャッシュなどのブラウザ性能統計をとるためのツール。これまで7,000人をこえるユーザから1万のテストが実施され、150におよぶブラウザ、2,500におよぶユニークなユーザエージェントでの試験が実施されている。参加するユーザが増えれば増えるほど、カバーする対象も精密さも向上する仕組みだ。

UA Profiler test suite

UA Profiler improvementsで紹介されている最近実施された改善点は次のとおり。

  • ドリルダウン - より細かいブラウザバージョンの表示に対応したほか、さまざまな視点からチェックできるように「Top Browsers」「Browser Families」「Major Versions」「Minor Versions」「All Versions」の表示方法が用意された
  • 不要データの隠蔽 - ナイトリービルドやユーザの設定変更などで現れる一般的ではなく不規則なバージョン番号を有したWebブラウザ情報は表示対象に加えないように変更。すくなくとも2人以上の別のユーザが合計で4回以上試験を実施した場合に結果に表示するようになった。すべての結果を見たい場合は"show sparse results"をチェックすればいい
  • ブラウザ別表示 - ブラウザ別の結果表示に対応。ブラウザにどういったバリエーションがあるかや、いつ試験が実施されたのかをチェックできる
  • ソート機能 - Stuart Langridge sorttableを使って結果を整列表示可能に変更。仕組みの実現にはJohn Resig氏のDegrading Script Tagsパターンが活用されたとしており、後日どのように実現したかを報告するとしている

データ収集の結果からおもしろい事例も紹介されている。Chrome 1.0.154ではParallel Scripts試験には失敗するものの、Chrome 1.0.155では成功する。Chrome 1.0.154はWebKit 525を使い、Chrome 1.0.155はWebKit 528を使っている。WebKitのバージョンアップが性能の向上につながっていることが直接確認できる。