コニカミノルタが発表したレーザープリンタなど。A4は省スペース設計で静音性が高い。A3はクリエイティブ業務向け

コニカミノルタビジネステクノロジーズは16日、A4カラーレーザープリンタ「magicolor 1600」シリーズとして「magicolor 1600W」「magicolor 1650EN」「magicolor 1690MF」の3機種と、Aワイド対応カラーレーザープリンタ「magicolor 7450II」、A3モノクロプリンタ「pagepro 6640EN」を発表した。1月中旬から順次発売する。

価格は1600Wが54,800円、1650ENが69,800円、1690MFが124,800円、7450IIが298,000円、6640ENが128,000円。発売日は1600Wが2月上旬、1650ENと1690MFが3月中旬、7450IIが1月中旬、6640ENが3月上旬。

「magicolor 1600W」

「magicolor 1650EN」

「magicolor 1690MF」

「magicolor 7450II」

「pagepro 6640EN」

「適材適小」のキャッチフレーズでA4機を展開することを説明するコニカミノルタ プリンティングソリューションズ 代表取締役社長 木村則夫氏

発表会では、コニカミノルタ プリンティングソリューションズ 代表取締役社長 木村則夫氏が販売戦略を説明。A3カラーであるmagicolor 7450II、A3モノクロのpagepro 6640ENは、国内での主力となるA3機ラインアップ拡充のために投入する。A4カラー機3機種は国内最小最軽量の特徴を活かして販売。1600Wは1名での使用、1650ENはネットワーク対応で多人数での使用、1690MFはオールインワンタイプとそれぞれ違う特徴を備え、「適材適小」のキャッチフレーズでマーケティング展開する。A4カラー機は国内で年間10万台ほど販売されているとし、単に低価格だけではなく付加価値を付けたことで、この3機種だけで10%以上のシェアを目指すとした。

続いて、コニカミノルタビジネステクノロジーズ 営業本部 第1商品企画部 プリンタグループ長 原島博之氏が国内レーザープリンタの市場動向とA4機を説明。国内のレーザープリンタ市場で、カラー・モノクロの出荷台数の推移をみると、モノクロは減少傾向、カラーは増加傾向にあるとわかる。机の上で分散出力を行うデスクサイドプリンタとしてモノクロレーザーからカラーレーザーへの置き換えが進んでおり、モノクロ既存機と同じ程度のサイズ、モノクロの高速印刷のニーズが高い。このニーズを満たす製品として今回新機種を投入するとした。さらに低価格に抑えること、量販店でも積極的に展開することで、カラーA4インクジェットのユーザーも取り込んでいく。

製品説明をするコニカミノルタビジネステクノロジーズの原島博之氏

モノクロは減少しているがカラーは増加傾向のレーザープリンタ市場

特徴は、(1)国内最小・最軽量、(2)スタイリッシュなデザイン、(3)静音性、(4)快適・簡単操作、(5)高品質・高画質の5点。1600Wと1650ENは、A4カラーレーザープリンタの中では容積比で国内トップのコンパクトサイズ。ほとんどのインクジェット機と比較してもコンパクトという。シンプルで飽きのこないデザインを採用し、あらゆる環境に順応するとした。またユーザーアンケートにおいて、レーザープリンタで改善すべき点は静音性が24.9%でトップとの結果を受けて、1690MFは新設計用紙トレイと新設計ラックを採用し、ノイズレベル49dB(プリント時)と国内トップの静音性を実現。モノクロ機との比較でも勝るとした。

国内トップの最小サイズ、最軽量を実現している

新設計用紙トレイ。穴を開けることでノイズを拡散する

操作面では、すべて前面から操作できるフル・フロントアクセスにより快適な操作性を提供。プリント速度はA4カラーが5ppm、A4モノクロが20ppmと高速で、トナーもフロントから交換できる。紙詰まりも上部を空けることで対応する。また、粒子が均一で細かい高画質デジタルトナーHDで鮮明なラインと階調のなめらかな画質を再現。写真や図、文字をそれぞれ最適な線数で自動処理するオブジェクトセグメンテーション機能で、画像や文字もクリアにプリントできる。画像最小単位の1ドットをさらに細分化する「マルチビット画像処理技術」により、9,600dpi相当×600dpiの出力を実現している。

オプションの装着で両面プリント、両面コピーにも対応。エコロジーも考慮し、デジタルトナーは従来の混練・粉砕法トナーの製造法に比べ、環境に優しいものにするなどのこだわりを持つ。低ランニングコストを実現しつつ、独自トナーセーブ機能により黒文字はくっきり、はっきりとさせ、写真は色バランスを維持するため、読みやすいものとなっている。

最後に、コニカミノルタビジネステクノロジーズ 営業本部 プリンタマーケティング部 戦略グループ 係長 森島剛氏がA3機を説明。国内レーザープリンタはA4機よりA3機の方が売り上げが多い。その中でも約20%はA3Wサイズ以上のグラフィック用途で利用されている。その中でオフセット印刷の品質とインクジェットに対抗できる価格を実現させたA3カラー印刷対応の7450IIを投入した。

独自技術を説明するコニカミノルタビジネステクノロジーズの森島剛氏

墨版保持によりKで指定された文字や線がくっきりと印刷できる

グラフィック機能ではPostScript v3016に対応。米オフセット輪転印刷色の規格SWOP、ヨーロッパの印刷色Euroscale、アメリカの商業印刷用のCommercial Press、東洋インキのTOYO、大日本インキ化学工業のDICなど、オフセット印刷のインクメーカーにあわせたシミュレーションを行え、仕上がりイメージにあわせた印刷が可能。"K"で指定されたテキストデータを"CMY"のかけあわせで表現しないよう墨版保持機能を持ち、PDF 1.6ダイレクトに対応している。さらに細線優先モードを使うと、文字や線がオフセット印刷同様にシャープに印刷できる。

減少傾向にあるとはいえ、現在の国内レーザープリンタ市場で44%を占めるA3モノクロタイプ。6640ENはこの市場に対応したモノクロ機となっている。A4サイズ35ppmの高速連続プリント、6.5秒以下の高速ファーストプリント、120万ページの高耐久性を持ち、最大解像度2,400dpi相当×600dpi。不正コピー抑制のための地紋印刷、機密情報の盗み見が防げるパスワード認証印刷、個人情報などの重要なデータの盗聴や改ざん、なりすましを防止できるSSL(暗号化通信)対応印刷と、セキュリティにも対応している。