丸文とFreescale、姫路に自動車開発支援用拠点を開設

      [2008/12/11]

    丸文とFreescale Semiconductorの日本法人であるフリースケール・セミコンダクタ・ジャパンは12月11日、兵庫県姫路市に、同地域の自動車関連カスタマへのサポート体制を強化するため、自動車アプリケーション開発支援拠点「姫路カーエレクトロニクスオフィス(姫路CEオフィス)」を開設したことを発表した。本格的なカスタマへの開発支援は2009年1月5日より開始する。

    丸文 代表取締役社長の佐藤敬司氏

    丸文とフリースケールは、2008年3月に栃木県宇都宮市に同様の車載向け開発支援拠点「宇都宮カーエレクトロニクスオフィス」を開設している。また、フリースケールは同5月に名古屋・品質テストセンターを拡充したほか、同地に「オートモーティブ・コンピタンス・センター」を開設しており、今回の拠点もこれら既存拠点と同様の役割を持つ。

    丸文の代表取締役社長である佐藤敬司氏は、「丸文のデバイス事業戦略は3つの重点項目がある」とし、以下の3つを掲げている。

    1. 安定成長基盤の確立
    2. 成長市場へのフォーカス
    3. 海外事業の強化・推進

    このうち、安定成長基盤の確立については、「既存ビジネスの深掘り、ならびに新規市場の開拓が重要」(同)とし、「カーエレクトロニクス市場への販売強化は安定成長基盤確立の一翼を担うもの」(同)とする。そのためには「カスタマに密着したサービスの提供が不可欠であり、それにより遅延のないサービスの供給を行い、サポートを充実させることがもっとも重要」(同)であり、地域に密着した車載向けオフィスを設置することで、関西地区の自動車向けビジネスのさらなる拡大が図れるとする。

    体制としては、「宇都宮同様、フリースケールからの技術サポートを受ける形で、丸文の常駐エンジニアがカスタマのサポートを行う」(同)体制となる。常駐するエンジニアは、「パワートレイン系マイコンのハードウェア、ソフトウェアのサポートならびにコンサルティングを主に行う」(同)という。

    フォーカスするアプリケーションとしては、前述のトランスミッションコントロールやエンジンコントロールといった"パワートレイン"のほか、"シャーシ""エアバッグ"としており、こうした案件に対し専門知識を提供することで、ECUの開発期間短縮やソフトウェアの最適化、不具合の検証などを行うことを目指すという。

    姫路CEオフィスの機能と役割

    米国Freescale Semiconductor 上席副社長 兼 フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン 代表取締役 高橋恒雄氏

    一方、丸文との2つ目の協業拠点を設立したこととなるフリースケールは、「丸文は重要なパートナー」(米国Freescale Semiconductor 上席副社長 兼 フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン 代表取締役 高橋恒雄氏)とし、「自動車産業は、対応をより迅速にするためにカスタマから10分位の場所に拠点を設けなければならない。こうした拠点が姫路にできたことより、この地域でのビジネス拡大の要ができた」(同)とする。

    また、Freescaleがグローバルに展開している"ユニバーシティ・プログラム"は現在、国内では大阪大学と筑波大学との産学連携が行われているが、「今後は姫路の大学とも活動していきたい」(同)としており、特に自動車向けのエンジニア育成に重点を置いてやっていければ、とした。

    フリースケールの車載ビジネス向け拠点と姫路CEオフィスの役割

    フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン オートモーティブセールス&マーケティング本部 ジェネラルマネージャー 林章氏

    フリースケールでは、「ミドルクラスの自動車であっても、燃費向上のためにはエンジンコントロールの細かな設定などを実現するために現在30個と言われている搭載マイコン数が2010年頃には70個程度になる」(同社 オートモーティブセールス&マーケティング本部 ジェネラルマネージャー 林章氏)と見ている。

    また、それに伴うソフトウェアの増加、複雑化も進むため、「カスタマに密着した開発支援により、カスタマと同じ環境下で決め細やかで、かつ迅速な対応を行えるようにする必要がある」(同)とし、ソフトウェアの品質の維持、向上、ならびにECU開発期間の短縮を実現するためにはこうした取り組みは絶対に必要であることを強調した。

    フリースケールが提案する開発支援各種

    同拠点には、同社のデモボードなどが複数枚用意され、それぞれの案件に応じてそれらを活用することとなる。

    なお、丸文の佐藤氏は、「フリースケール製品の年間売り上げは2008年度で100億円を突破したが、これは通過点に過ぎない。次は150億円を目指す」としており、その要がカーエレクトロニクスであり、「現在、グローバルで市況の悪化が語られているが、このような時期だからこそ、積極的に攻め、フリースケールと共に拡販を進めていく」と強気の姿勢を強調、車載全体の売り上げについても、市況悪化の中にありながらも「2008年度で150億円、2009年度は180億円程度、そして中長期的には400~500億円を狙う」(同)とした。

    同拠点の人員数は、戦略上答えられないとのことだが、「宇都宮は、立ち上げてから案件が順次増加しており、姫路も数年で同様の状態になると見ている」(高橋氏)とし、最初は宇都宮の拠点の開始時と同程度の人員配置を行い、カスタマからの要望に対応していくとした。

    左から、丸文 常務取締役 デバイス事業担当の水野象司氏、同代表取締役社長の佐藤敬司氏、フリースケール代表取締役社長の高橋恒雄氏、同オートモーティブセールス&マーケティング本部 ジェネラルマネージャー 林章氏

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