シマンテックとJi2は、日本企業向けの「フォレンジック調査サービス」と「日米訴訟支援サービス」において協業し、本日よりサービスを提供していくと発表した。

フォレンジック調査とは、社内の「財務・会計部門」「総務部」「情報管理部門」「法務・知財部」で使われるメール、文書、インターネット接続記録などの電子データを調査するサービス。用途としては、社内通報者の情報が正しいかの調査、何か事件や事故があった場合、情報の隠ぺいを行っていないかの調査、退職者が社内情報を持ち出していないかの調査、米国での訴訟証拠となりうるデータの調査などが考えられる。

フォレンジック調査の適用範囲

従来このような調査を行う場合、ハードディスクを抜き取って、デュプリケータを使用してデータを保存・解析していたが、Ji2のツールを使用すれば、オンラインでリモートからPC、サーバの調査が可能だという。そのため、メールサーバを落とす必要もないほか、調査自体を気づかせずに行えるという。

Ji2代表取締役社長 藤沢哲夫氏

また、従来はUSBメモリやHDDなどのストレージが調査の中心であったが、最近はCPUやメモリ上調査も可能で、これにより、パスワードや暗号化の情報も採取可能だという。Ji2代表取締役社長の藤沢哲夫氏によれば、最近は、RAMに一時的に蓄えられた情報が証拠になるケースも多いという。

そして、シマンテックとJi2は協業し、両社の専門分野とノウハウを活用し、法的な対応が必要となった企業に対してメールシステム、サーバ、データベースなどの企業内のITインフラの中に存在する膨大な量のデータの洗い出しや監査を行う。

フォレンジック調査の両社の役割

一方の日米訴訟支援サービスは、フォレンジック調査の1つで「e-Discovery:電子証拠開示」と呼ばれるもの。米国で事業展開している日本企業を対象に、米国での裁判を有利にするための電子データを社内データから調査・収集し、弁護士に提供していくサービスだ。米国で事業展開している日本企業においては、PL法、知的財産、独禁法などに関して訴訟に巻き込まれるケースが多く、ある自動車メーカーなどは、常に20前後の訴訟を抱えているという。藤沢氏によれば、これら訴訟のうち9割は和解による決着で、より和解を有利に進めるためには、e-Discoveryは欠かせないという。

そして両社は、日本国内におけるe-Discoveryの導入に関するコンサルティングサービスの提供を開始する。具体的には、Ji2は法的証拠の収集および分析において求められる固有のノウハウを、一方シマンテックは、ストレージやセキュリティ、コンプライアンスに関わるIT基盤の設計および構築や、情報のセキュリティ保護に関わるセキュリティポリシーの設計、監査支援などのコンサルティングサービスを提供する。

藤沢氏はシマンテックとの協業のメリットについて、Ji2が提供するオンライン作業による調査や、両社の持つツール活用による収集データの削減により従来にくらべ3割程度、コストを下げることができるほか、調査にとどまらない総合的なコンサルティングができる点、大規模コンピュータ調査に対応できる点、突発的な「コンピュータ調査」「訴訟対応」をより少ないコストで実現できる点を挙げた。

両社のパートシップのメリット

シマンテック 執行役員 コンサルティングサービスビジネス担当 テルミ ラスカウスキー氏

一方シマンテック 執行役員 コンサルティングサービスビジネス担当 テルミ ラスカウスキー氏は「シマンテックには、全世界で4000名のコンサルタントがおり、2500社にサービスを提供している。米国ではすでにフォレンジックのサービスを行っており、情報を絞り込むことに関しては、情報漏洩対策の中でやってきている。今回の協業は、これから日本でやっていこうというタイミングであり、タイムリーだ」と述べた。

参考価格は「e-Discoveryコンサルティング」が1,000万円から、「コンピューターフォレンジックコンサルティング」が100万円からとなっている。