調査会社の米Gartnerは12月1日(現地時間)、2008年第3四半期の世界のサーバ販売調査報告を行った。同四半期にサーバの出荷台数が前年同期比4.4%の伸びを見せた一方で、売上ベースでは5.4%の減少となっており、金融危機に端を発する世界経済低迷の影響を受けた形だ。これは大規模システムほど減少の割合が大きく、特に同分野を得意とする米Sun Microsystemsは売上ベースで13.7%の減少だった。また出荷台数が伸びたx86サーバも販売単価の下落が顕著で、結果として売上全体への下落圧力となった。

同四半期の総合売上は127億ドルで、出荷台数ベースでは232万台となる。売上別シェアのトップ5は、IBM (30.3%)、HP (29.8%)、Dell (11.8%)、Sun (9.1%)、富士通シーメンス(4.8%)で、前回から順位はそのまま。出荷台数ベースではHP、Dell、IBM、Sun、富士通シーメンスの順番となり、こちらも順位は変わらなかった。

Gartnerの調査部門バイスプレジデントJeffrey Hewitt氏は「UNIXベースの大規模システムの導入が様子見となっているなか、x86サーバは出荷台数で好調な伸びを見せている。だが販売価格の下落はx86サーバの世界でも起こっており、結果として売上が減少した。RISC/ItaniumベースのUNIXサーバは出荷台数で16.1%、売上で10.8%の下落というデータが出ている」と説明する。こうした傾向は前出のようにSunにおいて顕著に見られるが、IBMは売上と同時に出荷台数でも減少傾向にある。これはHPが出荷台数で11.4%の大幅な伸びを見せたのと対照的だ。Gartnerによれば、同四半期のIBMはUNIXサーバのSystem pとメインフレームのSystem zの売上好調に支えられる面が大きかったという。

2008年第3四半期の世界のサーバ売上調査結果

会社名 3Q08売上 3Q08市場シェア 3Q07売上 3Q07市場シェア 成長率
IBM 38億5683万ドル 30.3% 40億2675万ドル 30.0% -4.2%
HP 37億9320万ドル 29.8% 39億4640万ドル 29.4% -3.9%
Dell 15億60万ドル 11.8% 15億8284万ドル 11.8% -5.2%
Sun Microsystems 11億5825万ドル 9.1% 13億4147万ドル 10.0% -13.7%
富士通/Fujitsu Siemens 6億1675万ドル 4.8% 6億6546万ドル 5.0% -7.3%
その他 17億9151万ドル 14.1% 18億7894万ドル 14.0% -4.7%
合計 127億1715万ドル 100.0% 134億4185万ドル 100.0% -5.4%

2008年第3四半期の世界のサーバ出荷台数調査結果

会社名 3Q08出荷台数 3Q08市場シェア 3Q07出荷台数 3Q07市場シェア 成長率
HP 72万4024台 31.2% 64万9958台 29.3% 11.4%
Dell 50万470台 21.6% 48万4650台 21.8% 3.3%
IBM 30万8524台 13.3% 31万9674台 14.4% -3.5%
Sun Microsystems 7万3578台 3.2% 7万6506台 3.4% -3.8%
富士通/Fujitsu Siemens 7万8867台 3.5% 8万956台 3.8% -2.6%
その他 62万9863台 27.2% 61万704台 27.5% 3.1%
合計 231万7981台 100.0% 222万729台 100.0% 4.4%