既報の通り、日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)は、ミニノート「HP Mini 1000」を発表、その発表会を開催した。

発表会では、日本HP 取締役 副社長執行役員 パーソナルシステムズ事業統括 岡隆史氏が同社のグローバルビジネスの近況、および日本での概況を説明した。

同社ワールドワイド(8月~10月期)において、約336億ドル(約3.2兆円)の売り上げおよび19%の成長を達成したことを公表、世界経済状況が厳しい中堅調に推移していることをアピールした。PC事業に関しては販売台数1,500万台を記録、日本の年間PC販売台数(約1,400万台)を超える台数をこの3カ月で達成した。売り上げでは約1兆円、前年比約10%成長を果たし、特にノートPCでは台数で38%成長を記録し売り上げでは20%の成長となった。

日本HP 取締役 副社長執行役員 パーソナルシステムズ事業統括 岡隆史氏

PC事業に関しては販売台数1,500万台を記録

日本国内では、企業向けビジネス(クライアントPC)にて直近3カ月で販売台数25%成長を達成。加えて、ブレードサーバとシンクライアントを組み合わせた仮想化ソリューションで、前年比約2.4倍の成長を実現した。コンシューマ向けビジネスでは、約200%の販売ボリュームとなったとした。これらすべてを含めた日本HPのPC事業は台数ベースで前年度比約40%の成長となり、好調さをアピールした。

また従来、企業向けにミニノート「HP 2133 Mini-Note」を提供していたが、個人ユーザーにも好評だったことを説明したうえで、改めて個人用としてデザイン、価格、仕様にフォーカスをあてた新ブランドとしてHP Mini 1000を投入すると公表。そのコンセプトについては、デザイン重視の路線を継承し「持っていてかっこいい」こと、ユーザーに感動や驚きを与えることを目指し製品作りを行ったという。さらにHPとしては、価格だけが製品選択の基準になるのではなく、ファッションやアクセサリーのように、身につけることで自分のセンスを他人にアピールできる、自分自身が満足できるものとして、コンシューマ向け製品にのぞんでいるとした。

デザイン & ファッションとの結びつきが利益を生んだ

米HP シニアバイスプレジデント パーソナルシステムズグループ グローバル・マーケティング担当 スティーブ・チャヒール(Satjiv S. Chahil)氏

続いて、米HP シニアバイスプレジデント パーソナルシステムズグループ グローバル・マーケティング担当 スティーブ・チャヒール(Satjiv S. Chahil)氏が登壇。ワールドワイドにおけるHPのPCビジネスの現状、今後の戦略についてプレゼンテーションを行った。

3年ほど前、PC業界は飽和状態にあって成長率が伸び悩んでおり、専門家はコモディティ化によって低コスト製品を展開できる企業しか生き残れないのではないかと危惧していた。さらにIBMがLenovoにPC事業を売却したことで、HPもPC事業から手を引くべきではないかともいわれていた。

これに対してHPは、新しい方向性として「Computer is Personal Again」(コンピュータはまたパーソナルに戻った)を掲げた。これはHPにとって180度の方向転換だった。そこで、技術が人々の生活にどのように密接に関係しているか、また技術だけではなくそれを使う人々の生活にも影響を与えていくというメッセージを伝えるビデオを作成した。

製品ラインにおける変更としては、デザイン性の追求、製品の形状の変化、エクスペリエンスの向上などを実施。ファッション分野にも注目し、コンピュータを技術分野だけではなくライフスタイルの面から捉えていくため、2007年9月にニューヨークのイベント「ファッション・ウィーク」に合わせ製品発表を行った。

もう1つの新しい試みは「タッチパネル」で、ディスプレイに触れることで操作できるようにした。誰にでも使いやすくするという観点から出たもので、銀行のATMを操作できる方なら簡単にコンピュータを扱えるとした。

これらの努力により、HPは、技術と日常生活を組み合わせた新しいスタンダードを作る企業だと消費者に認識され始めたとという。さらに冒頭において岡隆史氏が挙げた実績のとおり、機能と形状、ファッションが結びつくことが、ビジネスの成功につながっているとした。

「HP Mini 1000」

日本HP パーソナルシステムズ事業統括 モバイル & コンシューマビジネス本部 プロダクトマネージャ 菊池友仁氏は、米HPの成り立ちを皮切りに同社製品群を紹介。新製品としてHP Mini 1000を披露した。

日本HP パーソナルシステムズ事業統括 モバイル & コンシューマビジネス本部 プロダクトマネージャ 菊池友仁氏

「HP Mini 1000」

同製品は、内蔵ストレージ構成によって「HP Mini 1000 SSD8GBモデル」「HP Mini 1000 SSD16+8GBモデル」「HP Mini 1000 HDD60GBモデル」に分類される。オンラインショップ「HP Directplus」直販価格は、HP Mini 1000 SSD8GBモデルが49,980円、HP Mini 1000 SSD16+8GBモデルが54,600円、HP Mini 1000 HDD60GBモデル」が54,600円。発売は12月上旬を予定している。

「HP Mini 1000」発表記事はこちらを参照。

ヴィヴィアン・タムが手がける「HP Mini 1000 Vivienne Tam Edition」

ヴィヴィアン・タム氏が手にしているノートが「HP Mini 1000 Vivienne Tam Edition」

スティーブ・チャヒール氏と、ファッションデザイナーのヴィヴィアン・タム(Vivienne Tam)氏とのトークショーでは、「HP Mini 1000 Vivienne Tam Edition」が公開された。これはヴィヴィアン・タム氏がデザインした特別モデルで、アジア太平洋地域では2009年1月中旬からの販売、日本では2月以降の販売が予定されている(価格と構成は未定)。

ヴィヴィアン・タム氏は、洋服とPCとのデザインは、色、質感、素材を考えるという点では似ており、同氏のコレクションの一部として芍薬(しゃくやく)を含めることができたのは、大きな喜びで満足しているとしていた。

「HP Mini 1000 Vivienne Tam Edition」発表記事はこちらを参照。

発表会最後のスペシャルゲストトークショーでは、要潤さん、椿姫彩菜さんが登場し、それぞれHP Mini 1000、HP Mini 1000 Vivienne Tam Editionがプレゼントされた。要潤さんは「ロケなどの出先で、役作りの資料をネットで探したい」、椿姫彩菜さんは「つねに持ち歩いて使いこなせるようになりたい」とコメントしていた。

スペシャルゲストトークショーでは、要潤さん、椿姫彩菜さんが登場した