韓LG電子、日立と共同開発した浄水器でヘルスケア事業進出

    佐々木朋美  [2008/11/28]

    拡大する市場を狙う

    LG電子が、生活家電を基盤とした"健康家電"分野への進出を宣言した。LG電子が健康関連事業に進出するのは、その市場規模の大幅な拡大が予想されるためだ。同社が提示した資料によると、2005年から2015年までに、世界の健康管理事業の市場は138%、ヘルスケア家電市場は216%も増加すると見込まれている。世界的に健康に関心が高まり続ける今、LG電子では「(自社の)グローバルトップ水準の生活家電のノウハウを基盤とし、ヘルスケアをはじめとした家電事業における、新成長動力の発掘と育成に力を傾けていきたい」と述べている。

    そのためにLG電子では、2007年から、同社内で家電製品を担当する「Digital Appliance事業本部」に、50人以上からなる新事業開発チームを設置。以来顧客分析やテストマーケティングなどを展開してきたという。これにより、「寝室、洗濯機のある部屋、台所といった、機能的な空間が形成されている住居環境の変化」「高齢化社会の到来および生活の質向上」「"スタイル"、"ヘルス"、"ビューティ"といった、消費者トレンドに合わせた"ヘルスケア"」といった項目を中心としたヘルスケア事業を行うことを決定した。

    実際の事業で核心分野となるのは、乗馬マシンなどを含む「ボディケア」、イオン浄水器などを含む「ウォーターソリューション」、空気清浄機などを含む「エアケア」といった3つとなる。

    今後は、これに通信関連技術も連動して「ユビキタスヘルス」システムを構築することが目標だ。ユビキタスヘルスを実現するため同社では、LGグループのソリューション企業であるLG CNSが開発したヘルスケアソリューション「Touch Doctor」を利用すると述べている。

    このTouch Doctorは、慢性疾患関連の人が、自宅でヘルスケアを行えるようにする、LG CNSと米Intelが3年を費やして共同制作したソリューションだ。専用の端末さえあれば、患者は自宅にいながらにして血圧や血糖値などの情報を医療機関に送信できるほか、運動法やメニューに関する情報を受け取るなどして、自分で自分の健康管理ができるようになっている。

    グローバルでの健康管理事業の市場規模予測(出典:LG電子)

    2005 2015 成長率
    健康管理事業市場 3兆8,340億米ドル 5兆2,932億米ドル 138%
    ヘルスケア家電市場 5,367億米ドル 1兆1,645億米ドル 216%

    日立と共同開発した製品を発表

    既に主要製品発売の目処も立っている。医療用の振動機器やアルカリイオン浄水器を発売するのだが、これは日本の日立と1年間、共同で研究開発したものだという。

    医療用の振動機器というのは、体に振動を与えてマッサージ効果などを促す機器のことを指す。今回開発された「BM-1000HB」は、肩から腰までの利用者の体形を自動で測定し、体の状態にあったマッサージを行ってくれる、椅子型の機器だ。直径10cmのマッサージボールと、35個のエアバックを利用することで、全身マッサージを行うこととなっている。

    とくに、もっとも多くの韓国人が疲労を感じるという腰や骨盤を集中的にマッサージしてくれる。このほかLCDディスプレイで作動状態を確認できるのも便利だ。

    一方、アルカリイオン浄水器「WYD371GH」は、日立のハイパワー電解槽を採択することで、最大5.5リットル/分のイオン水を生成することができる。また4段階のフィルターにより、ミネラルウォーターを提供することも可能だ。

    本体はカラーLCD付き。ここを通じてイオン水のpHの変化や電解能力などを一目で確認できるのも便利だ。

    ちなみにこれらの製品に、Touch Doctorは適用されていない。また今後、日立との製品共同開発についても「まだ未定」(LG電子)ということだ。

    世界的に多くの家電製品を供給し、1つのブランドを確立しているLG電子。ヘルスケア部門でも一大勢力になれるのか、注目が集まる。

    LG電子がこのたび発売する予定の、アルカリイオン浄水器と医療用マッサージ機

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