日本ヒューレット・パッカードは27日、「HP BladeSystem c-Class」における新ソリューションを発表した。

今回発表されたのは、「省電力ソリューション」、「共有SASストレージソリューション」、「ネットワーク仮想化ソリューション」の3つ。いずれも対応する新製品が提供され、電力効率や運用/構築の柔軟性を高めてコスト削減を実現するという。

省電力ソリューション

日本ヒューレット・パッカード エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部 サーバプロダクト・マーケティング部 木村剛氏

省電力ソリューションの中心となるのはサーバブレードの新版「HP ProLiant BL460c Generation 5」。新版では、従来品と比べて44W(約25%)の省電力化を実現。16台のブレードを搭載可能なc7000エンクロージャ全体で700W以上の省電力になるという。

加えて、c7000エンクロージャ向けの新電源モジュールをリリース。同電源モジュールでは、AC-DC変換効率を約5%改善し、2400Wの出力を実現した。

これらを100%の負荷で5年間使用すると、「従来品に比べ電気代が68万7,933円、CO2排出量が17.1トン削減される計算になる」(日本ヒューレット・パッカード エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部 サーバプロダクト・マーケティング部 木村剛氏)という。

共有SASストレージソリューション

共有SASストレージソリューションとしては、ブレード用拡張カード「Smartアレイ P700m/256 コントローラ」とインターコネクトスロット用のスイッチ「HP StorageWorks 3Gb SAS BL スイッチ」を新たにリリースした。

従来のストレージ共有はファイバーチャネルもしくはiSCSIでしか実現できなかったが、新製品を導入することで既存のSAS接続ストレージ「HP StorageWorks Moduler Smart Array 2012sa」を使ってSASベースのストレージ共有が可能になったという。これにより、「iSCSIよりも高速な転送が、ファイバーチャネルよりも安価に実現できるようになる」(木村氏)。

Smartアレイ P700m/256 コントローラ

HP StorageWorks 3Gb SAS BL スイッチ

ネットワーク仮想化ソリューション

日本ヒューレット・パッカード エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部 ビジネスプランニング部 マネージャ 宮本義敬氏

ネットワーク仮想化ソリューションでは、新たに「HP BladeSystem c-Class 10/10Gb バーチャルコネクト Flex-10 イーサネットモジュール」を投入。Flex-10と呼ばれる新技術を搭載した製品で、10GbE物理ポートを最大4つのポートに仮想的に分割することができる。各ポートの帯域は100Mbps~10Gbpsまで自由に設定可能。

同製品を利用することで、「ブレードにNICを増設することなくネットワークポートを増やせるためコスト削減につながるうえ、GUI管理画面でポート数や帯域を簡単に変更でき、運用を効率化できる」(木村氏)という。

189製品で値下げを敢行

日本ヒューレット・パッカード エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部 本部長 橘一徳氏

これら新製品に併せて、同社は「HP ProLiant」および「HP BladeSystem」の製品/オプションで価格改定を実施することを発表。厳しい経済環境の中で継続的なIT投資を支援するという考えの下、189製品で値下げを敢行、最大値下げ幅は最大67%になるという。

日本HPでは、以上の施策により、「現状、各社平均72%にも及ぶ『守りのコスト(維持コスト)』を削減し、『攻めのコスト』の比率を増やす支援をしていく」(日本ヒューレット・パッカード エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部 ビジネスプランニング部 マネージャ 宮本義敬氏)意向だ。その一環として、「これまでHP BladeSystemは、ハイパフォーマンスコンピューティング領域で注目を浴びることが多かったが、今後はIT統合領域でも有効であることを強調していく」(宮本氏)構えで、「今年4-6月の国内ブレード市場調査で32.7%のシェアだったHP BladeSystemを2009年には50%にまで高めたい」(日本ヒューレット・パッカード エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部 本部長 橘一徳氏)という目標を掲げた。