ベネッセコーポレーション、NTT東日本、NTT西日本の3社は19日、ベネッセが提供する紙媒体とネットを合わせた通信講座「進研ゼミ中学講座+i(プラスアイ)」において、NTT東西が提供する光サービス「フレッツ光」を活用するなどの協業を行うと発表した。ネット学習に伴うセキュリティ上の懸念などを、フレッツ光のサービスを活用することで解消する。

ベネッセの調査によると、中学生が授業以外に学習する1日当たり平均時間(塾も含む)において、2001年に平均84.6分だった成績上位者の学習時間が2006年には97.7分に増える一方、2001年に75.2分だった成績下位者は2006年には76.8分で微増にとどまるなど、学習時間と学力の二極化が進んでいる。

ベネッセの調査によると、中学生において、学習時間と学力の二極化が進んでいる

同社では、インターネットによる学習を進めることで、こうした状況を改善することを目指し、今年4月から中学1年生向けに紙の教材にインターネットを加えた通信講座「進研ゼミ中学講座+i(プラスアイ)」をスタート。

ベネッセコーポレーション執行役員 教育事業本部 デジタル事業開発部部長の的場一成氏

今年4月ですでに4万人の会員を集め、2009年度は中学2年生向け、2010年度は中学3年生向けにサービス拡充を予定。2009年度に10万人の会員を見込んでいる。

だが、19日にNTT東日本、NTT西日本と共同記者会見を行ったベネッセコーポレーション執行役員 教育事業本部 デジタル事業開発部部長の的場一成氏によると、「ネット学習に対し、『セキュリティが心配』『ネットには有害情報が多すぎる』『接続スピードが遅い』などの懸念を持つ保護者も多いのが現実」と説明。

「こうした保護者の懸念を解消するために、NTT東日本、NTT西日本との協業が最適と判断した」と述べた。

具体的には、「進研ゼミ中学講座プラスアイ」と、NTT東西が提供する光ブロードバンドサービス「フレッツ光」を組み合わせた「学習環境応援キャンペーン」を実施。

「進研ゼミ中学講座プラスアイ」と、NTT東西が提供する光ブロードバンドサービス「フレッツ光」を組み合わせた「学習環境応援キャンペーン」

同キャンペーンでは、有害サイトブロックやセキュリティ対策サービス、パソコンなどの設定を専門のオペレータが遠隔でサポートするリモートサービスをパッケージ化した「プラスアイ安心接続サポートパック」を提供。

キャンペーン期間中に申し込んだ人を対象に、図書カード5,000円分をプレゼントする。

3社では今後、フレッツ光などを通して高校生までの児童・生徒の新生活を応援するキャンペーンや、インターネットを使った自宅学習に活用できる回線、端末、アプリケーションの開発などを協同で行っていくとしている。

「進研ゼミ中学講座+i(プラスアイ)」の受講費(税込)は、中1、中2の4月号開始の場合、「12カ月分一括払い69,600円」「6カ月分一括払い37,020円」「毎月払い月々6,800円」のいずれかから選択。

「プラスアイ安心接続サポートパック」は、NTT東日本エリアの戸建ての場合、フレッツ光(回線)とプロバイダの契約をセットにした「プロバイダパック」が月額5,985円(税込)~、「セキュリティ対策サービス」が同420円(税込)、「リモートサービス」が同525円(税込)で、初期費用はいずれも無料(最低利用期間内に解約した場合は初期工事無料適用額の一部金額として10,500円を支払い)。

NTT西日本エリアの戸建ての場合、「プロバイダパック」が月額6,038円(税込)~、「セキュリティ対策サービス」は回線に標準装備、「リモートサポートサービス」は月額525円(税込)で、初期費用はいずれも無料(利用開始から15カ月以内に解約した場合は、所定の金額を支払い)となっている。