富士通研、Web上の風評をリアルタイムに検知する技術を開発

    仲田玲子  [2008/11/19]

    富士通研究所と富士通研究開発中心有限公司は、 Web上の掲示板やブログ、SNSなどに書き込まれる企業や製品についての大量かつ多様な風評情報を、リアルタイムに検知する技術を開発した。本技術により、 Web上の風評リスクへの対策を迅速に行うことが可能となる。

    本製品を開発した背景には、企業に対しCSRの積極的な推進が求められる中、ブランドイメージの低下や社会的信頼性の失墜による経営危機を避けるための、風評リスク管理の重要性が高まっていることがあげられる。特にWeb上における風評は、不特定多数の人々に即座に伝播するため、風評に対する対応の遅れなどが生じた場合の経営ダメージが大きくなる可能性があった。

    また、Web上に生成するメディア(CGM)での企業や製品などの評判を分析・可視化する従来の風評検知サービスでは、下記の2つの課題があった。

    1. 収集したデータを分析するために、インデックス生成などの前処理が必要となり、検知までに最短でも数十分から数時間、場合によっては1日以上を要する。
    2. 風評パターンの数が増えると検知時間が増大するという特性があるため、数十万を越える大量かつ多様な風評パターンを漏れなく高速に検知することが困難で、一度に検知できる風評パターン数にも制限がある。

    今回発表された技術では、上記の課題を解決するために、テキストストリームに対して複数の風評パターンを一括して検知する独自技術を開発し、リアルタイムに大量で多様な風評検知を行う。具体的には以下の通りとなる。

    1. Web上に次々と書き込まれる記事に対して、前処理を行わずに即座に検知処理を適用することにより、登録された風評パターンにマッチした記事をリアルタイムで検知する。これにより、風評が書き込まれてから検知するまでの時間を大幅に短縮できる。
    2. 性能が入力パターン数に依存せず、高速に動作するパターンマッチングアルゴリズムを用いて、大量かつ多様な風評パターンを一括して高速に検知する。また、任意文字指定(ワイルドカード)や文字間隔指定など、従来技術では高速な検知が困難であった複雑なパターンも性能を落とさず高速検知できる。これにより、企業や製品の風評記事を漏れなく高速に検知できる。

    風評検知技術

    実証実験では、10万件もの大量の風評パターンに対して、Web記事1件あたり0.1ミリ秒未満のリアルタイムで検知できることを確認し、風評パターン数を1件から10万件に増やした場合の性能劣化は0.2%未満であり、検知時間は風評パターン数に依存せず一定であることなどの結果を得られたという。

    富士通では、本技術により企業が検知したい大量かつ多様な風評記事をリアルタイムに検知し、Web上のスパムブログ発見や犯罪予告検知などへの応用も期待できるとしている。

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