独SAPは11月17日(米国時間)、さまざまなシステムに分散したデータを自社ERP環境に集めるデータマイグレーションサービス「SAP Data Migration」を発表した。傘下のBusiness Objectsのデータ統合技術を組み合わせたもので、エンドツーエンドでのデータマイグレーションを実現する。

SAP Data Migrationは、買収したBusiness Objectsの情報管理アプリケーション「BusinessObjects Data Services」とSAPの専門知識、それに2社のベストプラクティスを組み合わせたソリューション。

BusinessObjects Data Servicesは、ERPやBI向けにデータのマイグレーションや統合を行うデータ統合ソフトウェアで、SAP Data Migrationには、フレームワーク、テンプレート、メソドロジー、各種ツールなどが含まれる。これにより、SAPの業務アプリケーションスイート「SAP Business Suite」向けに、異機種が混在するシステムからデータを集め、統一した環境に集めることができるという。レガシーシステム、米Oracleや米IBMなど、SAP以外のアプリケーション/データベースも対象となる。

データマイグレーションは、SAP Business Suite実装の最初のステップだが、各システムの専門知識を必要とし、複雑でコストと時間がかかる作業といわれている。SAP Data Migrationでは、このプロセスを6段階(分析/抽出と変換/クレンジング/検証/アップロード/レガシーデータとのリコンサイル)に分けることで、簡素化・高速化できるという。これにより、ERPのほかにも、メタデータ管理が可能となり、データの関連性を可視化できるため、マッピング、インパクト分析、BIなどに利用できるとしている。

SAPは今年1月、BI大手の仏Business Objectsの買収を完了しており、技術、営業・マーケティングの統合のほか、共同ソリューションやパッケージの提供を進めている。

SAPは、米ラスベガス州で19日まで開催中の「Managing You SAP Data 2008」でこの発表を行った。