NTTデータは、サーバ仮想化製品であるVMware製品上へ、統合基幹業務パッケージのSAPで構築したシステムを短期間・低コストで移行するサービス「SAP移行サービス on VM」と、SAPのアップグレードを仮想化環境で実現するサービス「SAPアップグレードサービス on VM」の提供を11月20日から開始する。

NTTデータでは、2001年より、ハードウエアリソースを論理的に複数に分割して1台のハードウエア上で複数の仮想マシンの稼働を実現し、あたかも何台ものマシンが存在しているかのようにみせる「仮想化ソフトウエア」への取り組みを開始した。2006年末からVMware認定コンサルティングパートナーとして、VMware製品のライセンス販売と導入支援サービスを提供している。

また、1994年よりSAPビジネスへの取り組みを開始し、1997年よりSAPジャパン認定のSAPサービスパートナーとして、SAPの導入コンサルティングから運用サポートまで一貫したサービスを提供している。

今回新たに開始する2つのSAP仮想化サービスは、これらの豊富な経験やノウハウを活かして提供するサービスとなる。

「SAP移行サービス on VM」は、旧バージョンのSAPで構築したシステムをVMware製品上へそのまま移行するサービス。既存システムに一切手を加えることなく、老朽化したハードウエア上で稼働するシステムを新しいハードウエア上へ移行できる。導入は、2週間程度の短期間で完了するという。また、仮想化環境へ移行することで、サーバ数削減による移行後の運用コスト削減や、障害発生時のシステム停止時間の低減につながる。

「SAPアップグレードサービス on VM」は、旧バージョンのSAPで構築したシステムをSAP ERPへアップグレードするサービス。移行後のシステムを仮想化環境上で動作させることにより、バージョンアップ時の動作検証環境を冗長に用意する必要がない。また、検証時に問題が発生した際もスムーズに前環境に戻せるため、物理サーバ数の削減・検証稼働の削減による大幅なコスト削減が図れる。さらに、ハードウエアリソースの最適化やマルチベンダ環境でのシステムの標準化、運用管理の効率化も実現する。

NTTデータでは、今後、本サービスの提供によりユーザーの物理サーバの削減と、ハードウエアリソースの効率化によるIT投資の最適化を図り、2011年度までに50億円の売り上げを目指すとしている。