日本アイ・ビー・エムは12日、第22回「日本IBM科学賞」の受賞者を発表した。受賞者には賞金300万円と賞状および記念メダルが贈呈される。

日本IBM科学賞は、物理、化学、コンピューター・サイエンス(バイオインフォマティクスを含む)、エレクトロニクス(バイオエレクトロニクスを含む)の4分野において優れた基礎研究を行っている研究者を表彰するもの。国内の大学ならびに公的研究機関に所属する45歳以下の研究者(国籍不問)が対象となる。

選考は、候補者推薦に応募のあった研究者を審査するかたちで実施。今年の審査委員会は、2000年ノーベル化学賞受賞者の白川英樹 筑波大学名誉教授や、2001年ノーベル化学賞受賞者の野依良治 理化学研究所理事長ら7名によって組織され、委員長は1973年ノーベル物理学賞受賞者の江崎玲於奈 横浜薬科大学学長/茨城県科学技術振興財団理事長が務めた。

受賞者およびその研究内容は以下のとおり(所属先・役職は2008年8月15日現在のもの)。

分野 研究内容 氏名 年齢 所属
物理 「遷移金属酸化物ヘテロ構造における界面電子物性の開発」 ハロルド・ファン(はろるど ふぁん、Harold Y. Hwang) 38歳 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 准教授
化学 「生体内分子を可視化する化学プローブの設計と応用」 菊地和也(きくち かずや) 43歳 大阪大学 大学院工学研究科 教授
コンピューター・サイエンス 「アルゴリズム的グラフマイナー理論の研究」 河原林健一(かわらばやし けんいち) 33歳 国立情報学研究所 准教授
エレクトロニクス 「スピン分極電流を用いた磁化制御に関する研究」 小野輝男(おの てるお) 40歳 京都大学 化学研究所 教授

授賞式は、11月26日の13時30分から日本アイ・ビー・エム 箱崎事業所(東京都中央区)で開催される。当日は、本会場をネットワークでつないだe-ミーティング会場を設置。授賞式の模様を一般に公開するという。なお、参加には、日本IBM科学賞のホームページから事前登録が必要になる。