NECは11月11日、「C&Cユーザーフォーラム & iEXPO2008」を開催、同会場にて同社のIAサーバ「Express5800シリーズ」の今後の方針の説明を行った。

これまで、同シリーズは、国内開発/生産を生かし、日本のオフィス設置に最適な要件を機能として搭載することで、ラインナップを拡充してきたほか、2007年11月からは「REAL IT COOL PROJECT」をスタート、「ECO CENTER」の提供を2008年5月より開始するなど、省電力プラットフォームへの対応も図ってきた。

Express5800シリーズの歩み。2008年からは「省電力ITプラットフォーム」も登場した

NEC 第二コンピュータ事業本部 事業本部長 庄司信一氏

こうしたラインナップの拡充により、「従来は、SOHO/中小企業から大企業およびiDC/xSP市場に対し、スタンダードなラック/タワーサーバから、日本のオフィス環境にあったサーバまでワイドレンジでカバーする品揃えを行ってきた」(NEC 第二コンピュータ事業本部 事業本部長 庄司信一氏)という。

ただし、今後は「クラウドコンピューティングによるサービスの時代を見据え、ワイドレンジでのカバーをより分かりやすく広げる必要があった」(同)とし、「DataCenterLine」と「DataStationLine」の2つの製品ラインナップとすることで、事業領域を拡大していくとした。

2つのラインナップとすることで事業領域の拡大を狙う

また、2つのラインナップの登場にあわせ、Express5800のロゴを一新、従来の「安心」「柔軟」「快適」に加え、「環境へのこだわり」を盛り込んだロゴへと変更した。

新しくなったExpress5800のロゴ(緑と青で環境へのこだわりを表す)

DataCenterLineは、企業内データセンタでのサーバ統合やインターネットデータセンタなどに向けた製品群で構成される。主な特長としては、「仮想化」「省電力」「リモート管理」としており、2009年度以降には、仮想化では高可用仮想基板の提供を図るほか、省電力としてSSDの標準化、OSの非依存での稼働状況のリモート通報などの機能が盛り込まれることが予定されている。

「DataCenterLine」の今回発表製品と今後の計画

一方のDataStationLineは、オフィスや店舗など現場での設置性やカスタマイズ性を意識した製品群となる。主な特長としては、「カスタマイズ」「設置環境」「運用性」であり、2009年度以降は、それぞれの業種に応じたカスタマイズメニューの整備、高効率電源の採用、メンテナンスフリー化の推進によるセンターからのリモートアップデートへの対応などの機能の搭載が予定されている。

「DataStationLine」の今回発表製品と今後の計画

今回、同発表に基づき、DataCenterLineでは6コアCPUを搭載した4Wayラックサーバ「Express5800/R140a-4」および同ブレードサーバ「Express5800/B140a-T」を製品化したほか、データセンタ専用モデル「Express5800/iモデル」として、「Core 2 Duoプロセッサ T9400」を搭載した1Uハーフサーバ「iR1110a-1H」を製品化した。価格は12万8,000円からで、11月26日から順次出荷される予定。

4Wayブレードサーバ「Express5800/B140a-T」

1Uハーフサーバ「iR1110a-1H」

一方のDataStationLineでは、SOHO/個人事業者のファイルサーバ向けとして「Express5800/110Ge Windows Home Serverバンドルモデル」を製品化したほか、長期供給や形状変更などのニーズに対応する「カスタマイズサーバ」を製品化した。こちらはいずれも11月26日より出荷を開始、価格はWindows Home Serverバンドルモデルが5万8,000円からとなっている。

Windows Home Serverバンドルモデル(左)とカスタマイズサーバの一例(右)

先述の庄司氏は、「2つのラインの明確化により、今まで以上に市場の拡大を目指す」とし、「クラウド環境下におけるデータセンターにおける柔軟なサーバと、それを補完する現場向けのサーバとしたことで、カスタマの新しいサービスに対応できるラインナップとなった」とする。

なお、同社では、今後も"REAL IT PLATFORM"に基づいた製品開発を実施していくことで、カスタマに最適な統合プラットフォームを提供していくという。