独立行政法人 情報通信研究機構(NICT)は、2015年の情報通信社会を支える光ネットワーク(フォトニックネットワーク)の研究成果発表会を都内で開催した。同機構では、新機能光処理技術に基づいたフォトニックネットワークシステム、次世代情報技術と統合した高機能ネットワーク構築技術、ユビキタスネット社会を支えるコアネットワーク技術、グローバルな相互接続性を実現するユビキタスネットワーク技術を研究開発し、次世代のネットワークアーキテクチャを平成22年までに実現し、実証研究開発ネットワークを構築することを目指している。

フォトニックネットワーク技術に関する研究開発

現在のネットワークでは、ルータやスイッチにおいて、光信号を電気信号に変えて処理を行い、再度光信号に変換する処理方式を採用している。この方式だと、電子回路の処理スピードに限界があるほか、装置そのものと空調で大量の電力を消費する。NICTではこれを、端から端まで情報を電気を介さず光のままで伝送する新世代オール光処理のフォトニックネットワークを目指している。また、複数の波長をそれぞれ独立したチャネルとして利用する「波長多重」技術、同一の波長の位相の違いを利用して、より多くのビット数をまとめて通信する「多値変調通信」などの要素技術研究を行っている。

フォトニックネットワーク技術

独立行政法人 情報通信研究機構 理事 宮部博史氏

NICT理事の宮部博史氏は、「この分野で日本はトップレベルにあり、このことを自負し、勝てるところをさらに強めていかなければ競争に勝てない」とし、大容量・高品質のネットワークをどうやってつくるか、低消費電力にするにはどうしたらよいか、いかに安く実現するか、拡張性、多様性にいかに簡単に対応できるかの4つの課題を挙げた。

なお、これらの研究には日本電信電話、NTTコミュニケーションズ、日本電気、沖電気工業、KDDI研究所、日立製作所、富士通、三菱電機などの企業のほか、東京大学、京都大学、大阪大学、慶応大学などの大学が参加している。