電池、ワンセグ、絵文字、iPhoneの3つの問題点を解決――孫正義社長

    小山安博  [2008/10/30]

    ソフトバンクモバイルの孫正義社長いわく、アップルのスマートフォン「iPhone 3G」には「3つの問題点がある」。同社は10月30日に開催された2009年秋冬モデルの発表会にあわせ、この3つの問題点の解決を図った。同時に、iPhoneユーザー向けに公衆無線LANサービスを無料で利用できるようにする。

    孫社長の言う問題点とは、(1)電池が持たない(2)ワンセグが見られない(3)絵文字が使えない――という3点だ。

    電池の持ちとワンセグを一挙に解決

    (1)については、利用頻度が高いという理由もあるが、孫社長自身も困ることがあるそうで、アクセサリーメーカーから外部充電池も発売されている。

    今回同社のブランドとしてこの外部充電池「TV&バッテリー」を、ソフトバンク直営店で販売する。発売は12月中旬以降で、価格は未定だが、1万円程度が見込まれている。

    TV&バッテリーを片手に説明する孫正義社長

    TV&バッテリー

    この充電池とiPhoneを、iPhone付属のUSBケーブルで接続するとiPhoneへ充電が行われ、バッテリーが切れた状態から満充電まで、1回分の充電が行える。

    iPhoneにマッチするデザインとサイズ

    iPhone付属のケーブルで充電する

    デザインやカラーリング、そして約80gという重さも含めて「iPhoneにぴったりの充電池」と孫社長。「コーヒーにはクレープ、iPhoneには(この)充電池」と冗談交じりに話す。

    さらにこの「TV&バッテリー」は、名前が示すとおりもう1つの機能があり、「ポケットやカバンに入れておくと、iPhoneが変身する」(同)。ワンセグチューナーを内蔵し、iPhoneでワンセグが見られるようになるのだ。

    「iPhoneが変身する」と言っておもむろにワンセグが写るiPhoneを取り出す孫社長。会場からは思わずどよめきも

    iPhoneとチューナー間は無線LAN(IEEE802.11b)で接続し、ケーブルを使わなくてもワイヤレスでワンセグが視聴できるようになる。ケーブルを使わないため、iPhoneのデザイン性を損なわないのもメリットだろう。

    iPhoneとの接続は無線LAN

    iPhoneとチューナーの間を離しても、チューナーをカバンの中に入れたままでも視聴できる

    iPhoneにはアプリ配信プラットフォームの「App Store」から専用ソフトをダウンロードして視聴する。チューナーとは無線部はWEPで暗号化。WEP自体は脆弱な暗号機能だが、コンテンツ自体にも暗号化をかけており、盗聴を防止する仕組みだという。

    実際の視聴画面。テレビ番組表は利用できるが、当初はデータ放送や録画には非対応。まずはリリースを優先し、録画機能とデータ放送はその後対応するそうだ

    視聴するためにはiPhoneをチューナーに登録する必要があり、1対1でしか視聴できない。同社によれば「USB接続のワンセグチューナーと同じで、iPhoneとチューナーが一対と見なされる」ため、無線でのワンセグ送信が可能になったそうだ。

    「日本ユーザーのために妥協しない」と孫社長は話し、「世界で唯一、日本のiPhoneだけはワンセグが写る」と胸を張る。

    絵文字をサポート

    日本の携帯ユーザーで広く使われている絵文字も、iPhoneでは使えない。これに対して孫社長は、絵文字を使うことで「感情を移入して(メールを)送る」という絵文字の効果を指摘し、「絵文字がなくてはメールではないとアップルに一生懸命伝えた」という。

    いよいよiPhoneでも絵文字をサポートする

    今回の絵文字の導入はこの説得の効果があったようで、「iPhoneソフトウェア」のアップデートによって絵文字が導入されることになる。以前からiPhoneソフトウェア2.2で絵文字がサポートされるという情報はあったが、公式に認められたのはこれが初めて。アップデートは「今年中」(同)とのことだ。なお、この絵文字はソフトバンクの絵文字と完全に互換性があるそうだ。

    これによって同社では、iPhoneの3つの問題点を「まとめて解決した」(同)ことになる。

    iPhoneユーザー向け公衆無線LANサービス

    iPhoneは高速な3Gネットワークを利用することができるが、無線LANに比べると速度が遅く、iPhone上のiTunes Storeでは楽曲が購入できない、YouTubeの画質が低くなるなどの問題があった。

    「毎日使っているが便利でしょうがない」と孫社長が絶賛するiPhoneだが、無線LANが利用できれば「もっと便利」と指摘。そのため今回、ソフトバンクグループのソフトバンクテレコムが提供している公衆無線LANサービス「BBモバイルポイント」について、iPhoneユーザーに無料開放する。

    サービス開始は11月4日からで、申し込みは不要。BBモバイルポイントのエリア内でアカウントを設定するだけで接続が可能になる。12月1日からは、2回目以降の接続時に、IDとパスワードの入力も不要になる自動接続にも対応する。サービスの利用にはiPhone向けメールサービスS!メール(i)を使う。

    BBモバイルポイントは、ハンバーガーチェーンのマクドナルドの「ほぼ全店」(同)のほか、主要なJRの駅構内、空港内ラウンジなど、全国に約3,500カ所のアクセスポイントが設置されている。

    無線LANを利用することでパケット通信料もかからず、ユーザー側にはコスト削減、ソフトバンク側にはトラフィックの低減といった効果がある。

    孫社長は、iPhoneを「ソフトバンクにとって重要な機種」と位置づけ、今後もサービスを拡充していく考えだ。

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