新開発のマルチタッチセンサーシステム

ワコムは29日、複数の指を同時に検出できる同社独自の高性能マルチタッチセンサーシステムを発表した。

同システムは、コンピュータ機器のスクリーン表面に組み込むことで、これらの機器を複数の指の動きで操作できる静電結合方式センサーとコントローラがセットになったもの。センサー機能を制御するコントローラに独自技術を用い、指の数に制限なく、指が触れた位置を同時、かつ正確に検出するほか、大型液晶などノイズの大きな表示装置と組み合わせても安定した信号検出が可能だ。また、バッテリ駆動時のノートPCのように指の位置を検出する信号が小さい場合や消費電力が限られている場合でも安定して信号が検出できる。

同システムでは、透明な電極をX方向とY方向の格子状に配線し、指が触れたときに発生する静電容量の変化を計算することで指の位置を検出している。同社がこれまで電磁誘導方式センサーシステムで培ってきた高精度な位置センサー技術を指の検出に応用することにより、信号に対してノイズが大きな環境でも安定した状態で信号を高速、高精度に検出可能としている。

同社では、マイクロソフトの次期OS「Windows 7」対応のUMPCやタブレットPC、ノートPC、デスクトップPCに加え、大型液晶ディスプレイ、デジタルサイネージ、スマートフォン、ゲーム機などを主な用途として想定している。

仕様は、サイズが10型から40型以上、サンプルレートが100フレーム/秒以上、解像度が200ppi以上、精度が0.5mm以内。