Samsung電子とLG電子は、2008年第3四半期の実績を発表した。両社とも、このところの深刻な世界的な景気の鈍化の影響を受けているようだ。
Samsung電子は、連結決算では売上額が前期比4%増の30兆1,000億ウォン(約1兆8060億円)、営業利益は前期比38%減の1兆4,800億ウォン(約888億円)であった。
単体の売上額は19兆2,600億ウォン(約1兆1556億円)で、前期比6%増だ。営業利益は前期比46%減の1兆200億ウォン(約720億円)となっている。
小幅に増加した売上額と大きく減少した営業利益が対称的だが、連結および単体の売上額は四半期別では史上最大だという。
4部門の中でも、もっとも好調だったのは携帯電話や携帯用音楽プレーヤーなどを取り扱う、情報通信部門だ。営業利益は6%減少したものの、連結決算の売上額は前期比13%増加している。携帯電話の販売台数は、前期比13%増の5,180万台を記録し、四半期ごとでは初めて5,000万台を超えた。同社では今後も地域別の戦略的端末をそろえて、効率的なマーケティング活動を進め、年間2億台以上の販売を達成したいとしている。
逆に営業利益が赤字となったのが、家電製品やプリンタなどを取り扱うデジタルメディア部門だ。連結決算の売上額は前期比4%増だったが、営業利益をあげられなかった。これについて同社では、需要鈍化傾向の中での激しい価格競争や、材料費の上昇、プリンタ部門による、事業基盤強化のための投資などを挙げている。
ただし明るい材料も見える。フラットテレビにおいては、販売量が前期比12%増加したという。今後同社では、あえてプレミアム製品を中心にした差別化戦略をはかり、フラットテレビ市場での優位を保ちたいということだ。
このほか、半導体部門の連結基準の売上額は、前期比1%増、営業利益は同37%減少した。半導体は同社の最重要事業の1つだが、今回は市場の需要不振によるDRAMやNANDフラッシュの価格下落がひびいている。それでも同社によると「(Samsung電子は)半導体業者の赤字が持続し苦戦する中、唯一黒字を維持している」企業だという。同社では今後、DDR3や大容量SSD量産などの技術力で、他者と差別化をはかっていきたいとしている。
またLCD部門では、連結決算の営業利益も57%と大きく下落しているが、これはテレビ業者による在庫調整で需要不振となり、価格が下落したことが原因のようだ。同社では価格の下落は今後も継続すると考えており、付加価値の高い製品を中心に収益力を上げていきたいとしている。
Samsung電子では、世界的な景気委縮は次期以降も続くと見ている。そんな中で他者と差別化できる、付加価値の高い製品で競争力をつけていきたいとしているようだ。
LG電子による、連結決算の売上額は前期比5.7%減の12兆90億ウォン(約7740億円)、営業利益は前期比0.29%減の5,705億ウォン(約342億円)だった。
単体では、売上額が6兆8,867億ウォン(約4132億円)、営業利益は3,376億ウォン(約202億円)だ。これは売上額は前期比で4.8%減、営業利益は53%減となっている。
好調だったのは、カーナビや光学ドライブなどPCを除くデジタル製品を扱うDM(Digital Media)事業だ。セットトップボックスなどの販売が好調で、売上額・営業利益ともに、前期比、前年同期比とも増加している。同社では今後、プレミアム製品の販売と原価節減を通して収益性の維持に全力を傾けたいとしている。
一方で売上額が前期比で15%減となってしまったのが、家電製品を取り扱うDA(Digital Appliance)事業だ。これについて同社では、サブプライムの影響で欧米地域での売上が落ちたと述べている。しかし、アジアや中東などの新興市場では、売上額が他国と比べて伸びており、今後もこの市場には期待できると同社では述べている。
また、携帯電話を含むMC(Mobile Communication)事業では、前期比の売上額・営業利益ともに減少している。同社の主力事業である携帯電話の売上台数も、前期比で470万台(17%)減少した2,300万台となっている。「インドなど新興市場での販売不振により」(LG電子)、売上額も前期比6.4%減となった。同社では、携帯電話を年間1億台販売することを目標としており、そのために「PRADA II」など戦略的製品の販売を、今後断行すると述べている。
このほか、2008年第1四半期から黒字転換しているディスプレイパネルを扱うDD(Digital Display)事業では、今回も黒字を維持した。売上額が前期比2.9%、販売量が同4%増加したフラットテレビが好材料となった。今後も続くとされる不景気の中、黒字を維持したい同事業では、在庫の最小化や新しい生産方式導入などで、厳しい状況に対応していくとしている。
今回の実績発表を見ると、世界的な景気沈滞のため、いずれの企業にとっても厳しい状況となったことが分かる。そうした中でよく出てくるキーワードが、差別化された製品、原価節減といったものだ。今後はますます、顧客を呼び込む製品力と、無駄のない生産力が試されていきそうだ。
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