動画投稿サイト「YouTube」は23日、YouTubeと日本音楽著作権協会(JASRAC)との間で、JASRACが管理する楽曲の利用に関する包括的な利用許諾契約を締結したと発表した。JASRACが管理する楽曲は、国内作品・外国作品合わせて約735万件ある。

YouTubeはすでに、ジャパン・ライツ・クリアランス(JRC)イー・ライセンス(e-License)とも包括利用許諾契約を締結している。

YouTubeでは、「日本で最大の楽曲数を管理するJASRACによる許諾が加わることにより、ライセンス取得済みの音楽著作物(曲及び歌詞)の範囲が国内最大級のオンラインサービスとなる」としている。

この契約による許諾は、レコード会社が制作するミュージックビデオなどの公式コンテンツにおける楽曲利用、ユーザーが作成するオリジナルビデオにおける楽曲利用などが対象になっている。

YouTubeとJASRACの包括利用許諾に関しては、2007年10月から両者で交渉。今年5月に行われたJASRACの記者会見では、JASRAC常務理事の菅原瑞夫氏が、「過去に投稿された違法映像に対するYouTube側の対応を待っている段階であり、できれば今年中には契約の妥結を目指したい」と話していた。

両者による今回の包括利用許諾契約締結は、こうした課題がクリアされたことを推測させるものだ。

JASRACは、今年4月に動画投稿サイト「ニコニコ動画(秋)」とも管理楽曲の包括利用許諾契約を締結しており、今後の動画投稿サイトにおけるユーザーの楽曲利用が一層活発になることが予想される。