SAPジャパンは10月23日、プレス向けセミナーを開催し、物流業界に対する同社の取り組みとして、今年4月から国内提供を開始している輸送管理ソフトウェア「SAP Transportation Management(SAP TM)」の機能や導入実績などを紹介した。
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SAPジャパン インダストリー/ソリューション戦略本部 物流・鉄道・旅行業産業担当部長 竹中康高氏 |
発表にあたったインダストリー/ソリューション戦略本部 物流・鉄道・旅行業産業担当部長の竹中康高氏は、「物流業界では、中国や南米といった成長地域・分野を中心にいちはやく事業を展開する必要性が高まっており、荷主、キャリア(輸送業者)、フォワーダー(物流業者/仲介業者)らのグローバル規模での"合従連衡"が求められるようになっている」と市場環境を分析。SAPでは、そうした各プレイヤーの協業・連携を支えるシステム基盤の提供に力を入れていることを強調した。
竹中氏は、物流業界におけるSAP製品の導入アプローチとして、「企業基盤の標準化」、「品質・コスト管理の標準化」、「協業手順・プロセスの標準化」、「独自アドオン(ノウハウ)の再利用化」という4つのステップを提案していることを紹介。
最初のステップとなる企業基盤の標準化は、SAP ERPを利用して社内の管理会計、人事給与、購買管理などの標準化を進めるもので、ステップ2では、契約管理や輸送管理、通関・倉庫管理といったオペレーションの標準化を図るもの。そして、ステップ3で、そうした標準化を社外の協力各社へと拡大しながら、ステップ4で、SOAをベースにしたシステム連携基盤のうえで独自アドオンの再利用化を図っていくという。
「海外企業の動向としては、ステップ2からステップ3までの取り組みが加速している状況にある。つまり、荷主から荷物を預かって届けるというかたちから、荷主/メーカーと同等の自動化プロセスを取り入れることで、サプライチェーンの最適化を図るという方向に進んでいる。一方、国内では、ERPによる標準化を進めた企業がステップ2への移行を図るというケースが増えてきており、具体的なシステム導入の検討段階に入っている」(竹中氏)
SAPでは、ステップ4までの展開を見据えたソリューションを提供するが、そのなかでも、ステップ2からステップ3の領域において中心的な機能を提供するのがSAP TMという。同ソフトは、海運、航空、郵便・宅配、フォワーディングといった事業・業務において、契約管理、輸送管理、分析機能、追跡管理、通関管理などの機能を提供する製品。企業間・部門間をまたがる各種伝票・プロセスをシステム内で連携させることで、輸送の収益管理や進捗管理などをグローバルで管理することができるようになる。
「SAP TMの特徴の1つは、既存システムとつなぐためのインタフェースが豊富であり、既存システムを生かした段階的な導入が可能なこと。実際、フォワーディング機能をリプレースする製品というよりも、必要に応じて各機能をリプレースし業務プロセスの標準化や定着を図るプラットフォーム製品として検討されるケースが多い」(竹中氏)
セミナーでは、SAP TMのデモとして、顧客別・航路別に利益額をシミュレーションする機能などが紹介された。このデモでは、グローバルに管理されている輸送情報をもとにして、顧客別、航路別の輸送量、売上げなどを一覧表示するとともに、販売単価が下がった場合には購買単価をいくらに設定すれば利益がでるかといったことをスライダーを使ってリアルタイムに分析できる様子が示された。分析機能については、買収したビジネスオブジェクツの技術も利用されているという。
導入事例としては、航空貨物で世界3位、海上貨物で世界4位のパナルピナの例を取り上げ、SAP TMが海運・空輸・陸運などのあらゆるタイプの輸送業務をサポートしている点、業務プロセスの標準化によってスピーディーなビジネス展開が可能になった点で評価されていることをアピール。国内企業では、既にSAPを採用している日本郵船やフットワークエクスプレスなど既存顧客への新たな提案としてSAP TMを強化していくことを説明した。
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