米国で初のAndroid端末「T-Mobile G1」がデビューした。提供キャリアのT-Mobileはサンフランシスコ市のダウンタウンストアで現地時間の21日午後6時から先行販売を開始、いち早くG1を入手しようという人たちが長い行列を作った。全米規模での発売日である22日には95都市で提供開始となり、多くのT-Mobileストアが午前8時に開店した。

サンフランシスコでの先行販売の行列

Tシャツで"初"モノをアピール

Androidは、Googleが推進しているオープンなモバイルプラットフォームだ。G1はGoogleの各種Webアプリケーションにアクセスしやすい設計になっており、背面に「with Google」と印刷されている。Googleフォンと呼べるような端末だ。そのためG1発売開始直後から、英語版Googleのクラシックページで検索ボックスの下に「The G1 is on sale now」という告知ラインが表示されている。

Googleの検索ページに「G1発売中」

携帯電話向けGoogle製品を紹介するページにもAndroid

G1発売と同時にAndroid向けアプリの配信サービスである「Android Market」がオープンした。現時点で50以上の無料アプリがダウンロード可能になっている。パソコンからでもAndroidのサイトのAndroid Market Showcaseで、公開中のAndroidアプリをチェックできる。

Android Marketでは、「登録」「アップロード」「パブリッシュ」という3つのステップのみで開発者がアプリ配信を開始できるようになる。ところがMarketオープン直前に、50以上が登録されていたアプリ数が13個程度になり、開発者の間に「Googleがアプリを審査している?」という疑問が広がった。たとえば消されたアプリの1つである「ShopSavvy」は買い物の際に商品のバーコードをAndroid端末のカメラでスキャンし、その場でオンラインストアや近所のお店の値段と比較できる。Android端末のキラーアプリになり得ると話題になっていたが、ショップ側に低価格競争を強いるサービスとも言える。内容を理由にGoogleが登録を取り消したのならば、Android Marketの先行きは明るくないという声が上がっていた。しかし最終的にShopSavvyを含む50以上のAndroidアプリが揃っており、一部の開発者やメディアが懸念した厳しい基準は設けられていない模様だ。

なおAndroid Developer BlogへのEric Chu氏の書き込みによると、27日より3ステップでのアプリ配信が可能になる。これにより、どの程度のペースでAndroidアプリ数が増加するかが注目される。また2009年第1四半期にはAndroid Marketで有料アプリの提供を開始する。売上げの70%が開発者に支払われ、残り30%はキャリアへの支払いとストア運営コストになるそうだ。

これまでのところ、アナリストや購入者のG1の第一印象には良好な感想が目立つ。ただし、3Gサービスを含むT-Mobileネットワークの狭さに対する不満の声が相次いでおり、T-Mobile G1を避けてほかのキャリアからのAndroid端末を待つ人も多そうだ。いずれにせよ「Android端末+Android Market」に対する注目度は高い。「iPhone+App Store」の強力なライバルが登場したと言える。