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結婚10年目の妊娠に、夫・良介(椎名)と喜び合う滴(松雪)。だがその直後、結婚前に患った乳がんが再発。子供を諦めて治療に専念するか、がんの進行を早めることになっても子供を産むか――苦渋の決断に迫られる |
谷村志穂原作の小説を映画化した『余命』が、東京国際映画祭{TIFF)の「日本映画・ある視点」部門にて上映され、舞台挨拶に生野慈朗監督と主演の松雪泰子が出席した。
自らが演じる外科医・百田滴について、「結婚10年目にして待望の赤ちゃんを授かり、それと同時に10年前に患った乳がんが再発して……。そこからの彼女の選択が、私にはすごく衝撃的でした。私も家族を持ち、出産の経験もある身なので、いろいろなことを考えさせられました」とコメントした松雪。撮影中は、主人公の選択をいかにして受け入れるか、自分とは世界観の異なる役柄をどう体現していくか、悩むこともあったという。
一方、生野監督は、「この作品には、(松雪も出演している)『容疑者Xの献身』のようなサスペンスもなく、犯人も出てきませんが、脈々と生きる人間の日常というものが描かれているような気がするんです。だから殊更に劇的にするのではなく、日常をきめ細やかに描くことに心を砕きました。そこに松雪さんの存在感が上乗せされたことで、皆さんの心の中にすごく入っていく映画になったのではないかと思います」。
過去には『愛していると言ってくれ』『ビューティフルライフ』など数多くのドラマを手がけ、映画監督としても『手紙』(2006)で高い評価を得た生野監督だけに、人間模様を丹念に描く演出は本作でも健在。命の尊さと大切さ、生きることの素晴らしさを訴えかける感動作となった。
この日は主題歌「Get A Life ~Again~」を歌うtwenty4-7の2人が、花束贈呈のゲストとして登場。「インディーズ時代から歌い続けているこの曲を主題歌に選んでいただいて、今でも信じられない思いでいっぱいです」(MIKA)、「『余命』は涙なしでは見られない、素晴らしい作品。主題歌に選ばれたことを光栄に思っています」(ME)と、それぞれ挨拶した。
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主題歌を担当したtwenty4-7のMIKA(左)とME(左から二人目)。「Get A Life ~Again~」について、「生きている意味を知ってほしいとの思いで、泣きながら書いた曲です」とMIKAは語った |
最後に松雪が、本作について「あらゆるテーマが詰まった作品です。女性の生き方について、家族について、愛について、死について……。この映画を通して、さまざまなことを感じていただければと思います」とコメント。続いて生野監督が、「主人公は乳がんに冒されますが、ただ悲しいだけの作品にはしたくなかったんです。見終わった後で、『人間ってええもんやなあ』と思っていただきたい。なぜか関西弁なんですけど(笑)。生きることを見つめ直す気持ちになってくれればうれしいです」と話し、舞台挨拶を締めくくった。
映画『余命』は、2009年2月7日より全国ロードショー。
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