米Advanced Micro Devices(AMD)は10月16日(現地時間)、2008年第3四半期(7-9月期)決算を発表した。同四半期の売上は17億7600万ドルで前年同期比14%上昇、6700万ドルの純損失を計上した。ATIの買収コスト負担やIntelとの競争激化が響いた2007年に対し、販売増やコスト削減によるグロスマージン改善などもあり、赤字幅が前年同期の3億9600万ドルと比較して大幅に改善している。特にATIのGPU関連製品のシェア拡大が売上増に貢献した。
売上を事業別に見ると、CPU関連のマイクロプロセッサ事業の売上が13億9100万ドルで前年同期比8%のアップ。ただし出荷数ベースでは減少しており、ASP(平均販売価格)は横ばいとなっている。旧ATIのゲーム機向けを含むGPU事業の売上は3億8500万ドルで前年同期比40%のアップ。こちらは出荷数ベースでも増加しており、ASPも上昇している。特に同時期はATI Radeon HD 4000シリーズの新製品が多数リリースされた時期で、これがシェアの増加に大きく貢献したとみられる。また停滞気味だったクアッドコアOpteronのシステムも増えてきており、ある程度ビジネスが軌道に乗ってきているようだ。
AMDは今月7日「The Foundry Company」の設立を発表した。製造部門の固定費負担が顕著に事業の重石となっていたAMDだが、製造部門をスピンオフして事実上のファブレスメーカーとなったことで、製品開発への集中が可能となった。こうした事業のスリム化を同社では「Asset Smart」戦略と呼んでいる。これについて同社社長兼CEOのDirk Meyer氏は「Asset Smart戦略の発表で重要なマイルストーンを達成できた。世界規模の製造業務に対する資金的制約に囚われることなく、最新の製造プロセスを利用できるようになった。(ATICとの)ジョイントベンチャー契約手続きは2009年始めにも完了する見込みだ」とコメントしている。
フラッシュメモリ事業Spansionの切り離し、デジタルTV事業からの撤退、そして今回のFoundry Co.設立と、立て続けに事業スリム化を発表したAMDに、ようやく反撃のチャンスが巡りつつある。だが混乱の広がる世界経済事情の影はAMDにも忍び寄りつつあり、将来の見通しを不透明にしている。同社では第4四半期の売上見通しを今四半期と比較してほぼ横ばいだとコメントしている。通常、第4四半期は年末商戦で売上が大きく伸びる時期であり、売上横ばい予測は厳しい年末が待っていることを予感させる。
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