富士キメラ総研が16日に発表した、SaaS(ASP)関連事業者67社を調査対象にした「2008 ASP・SaaS関連企業総調査」によると、SaaS(ASP)サービスの2012年度における市場規模は、2007年度に対して2.3倍の2,429億円に達する模様だ。

SaaSサービスおよびプラットフォームサービスを合わせた2007年度の市場規模は1,070億円であった。ASPが登場した当時と比べてSaaSサービスの提供環境は大幅に改善され、ネットワーク経由でアプリケーションを利用するSaaS(ASP)の利用環境は整いつつあるという。また、SaaSサービスを前提とした各種アプリケーションが登場しWeb技術をベースとしてアプリケーション間の連携が可能になるなど、ユーザー個別のニーズに応じたアプリケーションが提供可能になっているとしている。

2007年度におけるSaaSサービスの市場規模は1025億円であり、2012年度には2.1倍の2,194億円に拡大する模様だ。

SaaS(ASP)プラットフォームサービス 市場規模推移(出典:富士キメラ総研)

サービスの種類別に見ると、CRMが2007年度実績で81億円、2012年度予測で340億円と最も市場規模が大きい。グループウェアとWeb会議は2007年度には共に29億円だったが、2012年度にはグループウェアが106億円、Web会議が52億円と伸び率の差が見られる。2007年度には22億円だったウィルス対策は、2012年度には4.8倍の105億円に伸長すると富士キメラ総研は予測する。

プラットフォームサービスの市場規模は2007年度で46億円と小さいが、データセンタ事業者・SIer・通信キャリアなどがそれぞれの強みを活かしたプラットフォーム事業を立ち上げ、本格的に参入し始めているという。2012年度は2007年度に対して5.1倍の235億円に拡大する見込みだ。

SaaS(ASP)プラットフォームサービス 市場規模推移(出典:富士キメラ総研)

SaaS(ASP)サービスでは今後、アプリケーションを自由に組み合わせられる環境となり多様なユーザーのニーズに対応可能になると見られることから、中小企業を含めたオンデマンドソフトウェアの利用が広く浸透すると富士キメラ総研は予測している。