米Adobe Systemsは15日、マルチメディア再生ソフト「Adobe Flash Player 10」をリリース、無償公開を開始した。動作環境はWindowsとMac OS X、およびLinux。

2006年6月に公開されたFlash Player 9以来、約2年4ヶ月ぶりのメジャーアップデートとなる今回のリリースでは、描画エンジンを強化。GPUハードウェアアクセラレーション機能によりCPU負荷の軽減に成功したほか、3Dエフェクトのネイティブ対応により2D / 3D変換や3Dアニメーションにも対応している。新しいテキストエンジンの採用によってアンチエイリアス処理のパフォーマンスが向上、日本語の縦書き文書やアラビア語の右から左へ書く文書など、レイアウトオプションも増加した。

カスタムフィルタ / カスタムエフェクトのサポートも実現。画像処理用プログラミング言語「Adobe Pixel Bender」を利用し、フィルタやブレンドモード、塗り表現などを駆使したオリジナルのフィルタやエフェクトを再生できる。Pixel Benderは、Adobe After Effects CS4でフィルタや特殊効果の基礎技術として利用されているほか、「Pixel Bender Toolkit」として開発者向けに無償提供されている。

AdobeではFlash Player 10について、年内にもSolarisサポートを開始する計画のほか、Adobe AIRに反映させる方針も発表している。また、Flashのオープン化を推進する作業部会「Open Screen Project」を通じ、Flash Player 10を携帯端末に対応させるなどの取り組みも進められる予定。