ルネサス テクノロジとパナソニックは10月9日、両社が1998年より継続してきたプロセス技術の共同開発において、32nmプロセスを採用したシステムLSI向けトランジスタ技術などについて、量産適用へのめどが立ったことを発表した。

今回開発された技術は、High-k/メタルのゲートスタック構造を有するトランジスタ技術とUltra low-k材料を用いた配線技術。具体的には、CMIS(Complementary Metal Insulator Semiconductor:相補型金属絶縁膜半導体)向け技術として、従来のSi酸化膜系ゲート絶縁膜を有するトランジスタ構造を発展させ、High-k/メタルのゲートスタック構造を持つトランジスタに原子レベルの薄膜キャップ層を最適な条件下で追加させたもの。

同キャップ層を導入することにより、トランジスタの信頼性向上、大規模回路を動作させるためのトランジスタ間の電気的特性のバラつきを抑制できることが確認された。

なお、今回の成果である同プロセス技術については、両社の先端モバイルやデジタル家電用システムLSIへの適用が予定されており、効率的な先端技術の開発を進めることで、早期の量産をそれぞれが目指すとしている。