シリコンバレーのスタートアップZuoraが「Z-Payment」というSoftware-as-a-Service (SaaS)形式のペイメント管理サービスの提供を開始した。

Zuoraは、Salesforce.comやWebEx出身のSaaS業界のベテランたちによって設立された。CEOのTien Tzuo氏はSalesforce.comに9年間在籍し、そのつながりからSalesforceのMarc Benioff氏がZuoraの出資者に名を連ねている。Zuoraのサービスは、サブスクリプション形式のビジネスの決済を支援するSaaSソリューションだ。今年5月に「Z-Billing」というビリング・ソリューションとなるサービスを開始した。これには顧客アカウント管理、製品カタログ、サブスクリプション管理、請求処理などが含まれる。顧客のビジネス形態やニーズに対応する柔軟性、スケーラビリティを備え、高い費用対効果を実現する。

Z-Billingが請求の自動処理を担うサービスであるのに対して、Z-Paymentは契約者の支払い管理や支払いトラブルを解決するサービスになる。この2つの組み合わせによって、サブスクリプション・ビジネスの決済が全て自動化されることになる。

Z-Paymentには顧客アカウント管理、支払い管理、支払い処理などが含まれる。基本プロセスにとどまらず、例えば利用者が登録しているクレジットカードの有効期限切れを通知したり、支払いが滞っている場合はサービス停止の警告を送ったりなど、支払いに関するあらゆる問題を自動的に解決する。Z-Billing同様、顧客自身による柔軟なカスタマイズが可能だ。Z-Paymentを提供する上で、Zuoraはオンライン決済のPayPalと提携、同サービスを統合している。

すでにデータ/ ファイル共有サービスのBox.netやFacebook用の教育アプリを提供するTeach the PeopleなどがZ-Paymentを利用している。Box.net CEOのAaron Levie氏は「Box.netユーザーが200万人を超え、マニュアルでは請求や支払いを処理しきれなくなった。一時は月々の支払いを正確にトラッキングできずに、無駄な損失を被っていた」と述べる。またTeach the People CEOのJason Beckermanは「Facebookアプリから収益を上げるシンプルな方法を模索する中で、広告ベースのビジネスモデルは採用したくなかった」とサブスクリプション形式を選択した理由を語る。

Z-Paymentは単独では月額500ドルから。またZ-Billingとのパッケージで提供される。