The GIMPプロジェクトは1日 (米国時間)、オープンソースの高機能グラフィックソフト最新版「GIMP 2.6.0」をリリースした。コンパイルにはGTK+ 2.12.1以降、GLib 2.16.1以降、Pango 1.18.0以降など、外部のライブラリも多数必要。現時点ではバイナリパッケージの提供はなく、ソースコードのみ提供されている。

2007年10月以来約1年ぶりのメジャーアップデートとなる今回は、ユーザインターフェイスを大幅に変更。各種機能が集約された操作パネル「ツールボックス」は、上部に配されていたメニューバーが廃止され、画像ウインドウ上部のメニューバーに一本化された。ペンなど描画機能の状態を表示する「ドック」とともに名称も「ユーティリティウインドウ」に変更され、常に最前面に表示できるようになった。

編集機能も強化。選択ツールが多角形の図を範囲指定できるようになったほか、色の濃さやパターンの大きさなどを細かく調整できるブラシ機能「Brush Dynamics」が新たに搭載された。画像の端を超え、表示の中心を上下左右へ移動 (パン) する機能も追加されている。従来のバージョンでは、拡大表示しているとき画像の端にブラシなどの加工機能を適用することは難しかったが、新しいパン機能によりこの問題が解決される。

描画機構にも改良が加えられている。従来のGDK描画機構がCairoベースに置き換えられたことにより、画面要素の透過表示など表現手法が多様化された。内部の描画エンジンが次世代のGEGL (Generic Graphical Library) への移行を開始するなど、将来を見据えた変更も行われている。

描画機構やユーザインターフェイスが改良された「GIMP 2.6」