日立アプライアンスは29日、「プレミアムクリーン」シリーズのクリーナー「CV-RP3000」「CV-RP2000」「CV-RS3000」「CV-RS2000」を発表した。CV-RP3000/2000が紙パック式で、CV-RS3000/2000がサイクロン式。発売は10月12日で、価格はオープン。市場価格はCV-RP3000が8万円前後、CV-RP2000が7万円前後、CV-RS3000が9万円前後、CV-RS2000が8万円前後と予想される。

高い捕塵率によるきれいな排気だけでなく、49dBという低騒音化も実現した「プレミアムクリーン」

同社が、クリーナーの購入者に対してアンケートを行った結果、プレミアムタイプのクリーナーを購入しているユーザーは、スタンダードクラスのクリーナーを購入しているユーザーに比べて「排気のきれいさ」「吸引力の持続性」「運転音の静かさ」といった点について、重視しているとのことだ。

クリーナーや空気清浄器などによく使用されているHEPAフィルターは、0.3μの粒子を99.97%以上捕塵するとされている。それに対して、同社の「プレミアムクリーン」シリーズは、2007年モデルの「CV-RS1」「CV-PL800/700」から、サイクロン式クリーナーでは、「3流路高圧縮方式サイクロン」と「プラズマULPA構造」の採用により、そして紙パック式では、「こぼさんパック」(GP-2000FS)とプラズマULPA構造により、99,999%の捕塵率を実現していた。

新モデルでも、この高い捕塵率には変わりない。しかし、この高い捕塵率は、目の細かいフィルターを使用しているということで、フィルターによる空気抵抗も大きくなる。それをカバーするためにハイパワーのモーターを採用することは、音の静かさに対してはマイナスに働く。

昨年モデルとの動作音の差。上の赤い線が昨年モデルで、下の緑の線が新モデル

「これっきりエコボタン」を押すだけで、床の状態に合う適切な運転を行い省エネが可能

今回発表されたモデルは、この動作音への対策が大きなポイント。同社によると、クリーナーが発生する動作音は、空路が狭くなった場所などで発生する乱流騒音(風切り音)とファンの羽根音、そしてモーターの回転振動が本体に伝わる回転振動音に分けられるとのことだ。乱流騒音は、低域から高域まで、比較的同じレベルの騒音が発生する。それに対して、回転振動音は低域に、ファン羽根音は高域に、それぞれ大きなピークを持っている。

これらへの対策のため、まずは、新開発の低運転音ファンモーターを搭載。ファンモーターでは、内側に回転翼、外側に固定翼が配置されているが、この固定翼の部分にスリットを入れ気流のはがれを防ぎ、なめらかな減速を実現することで損失を低減。さらに、スリットを通して隣との音の干渉で低騒音化するという効果も併せ持つ。なお、スリットの形状やサイズはコンピュータシミュレーションによって解析されている。これらによりファンの羽根音が大幅に減少している。

「3000」の2モデルには、電動ふとん吸い口も装備

高いところの掃除に便利な「間が―るロング吸い口」は全モデルに装備

回転振動音に対しては、「防振フローティング構造」の採用により対策。防振フローティング構造は、モーターからの振動を吸収する「インシュレーター」や「防振スプリング」などを備えることで、高気密モーターケースの振動を外部に伝えにくくする構造となっている。

また、乱流雑音に関しては、低騒音化ジョイントを採用。ホースとノズルの接続部分などの風路が曲がる部分を、コンピューターによる解析で、低損失化。また、本体内の風路をU字形にすることで、風路を長く取り、本体からの排気を後方と上方に分散することで、低風速化を実現している。

これらの対策により、紙パックタイプ、サイクロンタイプともに、49dBという低騒音化を実現した。新製品発表会の会場では、スタンダードタイプ、昨年モデルとの動作音の比較が行われたが、はっきりと聞き分けられる程の差が付いている。

ヘッドは、昨年モデルに搭載されていた「ごみハンターヘッド」を改良した「ごみハンターヘッドα」を搭載。「これっきりエコボタン」を押すだけで、フローリングでは約75%、絨毯でも約30%、消費電力を削減することが可能だ(「CV-PF8」との比較)。

なお、「3000」のモデルと「2000」のモデルとの違いは、3000にのみ「アレルオフビートヘッド」を搭載した「電動ふとん吸い口」が付属する点と、ゴミ捨て時や、トラブル発生時などに音声で、その対処方法を知らせる「音声ナビゲーション」機能が搭載されている点。