SAS Institute Japanは、流通・小売業向けの、価格設定を最適化するソリューション「SAS Revenue Optimization Suite」を発売すると発表した。
売上実績、需要動向、在庫などのデータを集計、実証的な情報分析を基盤にしており、商品の市場投入から在庫一掃までのライフサイクルを視野に、それぞれの段階ごとに施策を打ち出せるよう、「レギュラープライス」「プロモーション」「マークダウン」の3つのモジュールにより構成されており、同社は、家電量販、日用雑貨販売、さらにスーパーマーケット、ドラッグストアなどに狙いを定めている。
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SAS Institute Japan 宮田靖 執行役員 ビジネス開発本部長兼プロフェッショナルサービス本部長 |
日本の流通/小売業では従来「定価」があるのがあたりまえだったが、オープンプライス制の広がりとともに、「ネット通販や価格比較サイトの台頭などにより、一般消費者の力が非常に大きくなっているほか、競合相手は国内に留まらなくなっている」(同社 宮田靖 執行役員 プロフェッショナルサービス本部長兼ビジネス開発本部長)ことから、価格設定の重要性が高まると同時に、価格決定の判断は容易ではなくなっているが「依然、多くの小売業は、経験と勘に依存している」(同)のが実態であり「このままでは、意思決定、価格設定を誤る」と指摘、データを集め、分析した結果に基づいた、市場の動向に適合した価格施策が必要だと主張する。
「SAS Revenue Optimization Suite」は、商品の市場投入時、拡販キャンペーンなどを実施する時期、在庫一掃をする時期の、段階に応じて、3種のモジュールを用意している。「SAS Regular Price Optimization」は市場投入時の販売標準価格の最適化を目指し、過去の売り上げ実績データに準拠、商品特性を自動的に判断する需要予測モデルを用い、最適な価格を算出する。
売上げ、利益などの目標値を変え、シミュレーションを実行することも可能であるほか、関連商品で売上げ向上が期待できる商品を提示する機能もある。新商品や、十分な売上げ実績がない商品は、過去の実績から、売上げの近似値を探索し、最適化を図る。
「SAS Promotion Optimization」は、投入した商品の需要停滞のため、何らかの販売促進活動を展開する時期に、いつ、どこで、どの商品を、どのような手法で販促活動を実行すればよいかとの判断を支援、販促活動の投資対効果を最大化することを目指す。市場別、商品別といった切り口で、過去の需要動向と、販促の実績結果を評価、分析する。複数の施策候補を比較、検証して、選択することができるという。施策を策定する際には、仕入れ調達コストの変動要素、競合他社の値下げにともなうコスト変動要素なども組み入れることができる。
「SAS Markdown Optimization」は、季節商品の販売期間終了時、商品自体の生産完了時など、在庫処分が必要となる時期に活用する。在庫処分対象となる商品の売り上げ実績、在庫量、市場別の需要傾向、価格の上げ下げの影響で、実際の売上げがどのくらい変動するかといった要因を考慮し、過去の値下げ施策の結果などのデータを分析、どの時点で、どこの市場で、どの程度の値下げをすべきかとの策を最適化する。
これらのモジュールは全体として、共通のデータソースと共通の需要予測モデル基盤により統合化されており、各モジュールは必要に応じて単体でも、組み合わせでも導入が可能となっている。データソースである売上実績データは、日用品のように、在庫補充が必要な「商品長期ライフサイクル商品」、一定の期間で売り切ることが前提となる「短期ライフサイクル商品」のいずれにも対応でき、両者が混在した状態でも利用できる。
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SAS Institute Japan ビジネス開発本部 MIビジネス開発部 高階英治マネージャ |
また、モジュールはいずれも、価格戦略方針に則ったルールを基本にしている。「どのくらいの利益を得たいのか、利益重視か、あるいは売上高、販売個数重視か、といった要素に準拠、あるいはこれらの組み合わせに沿った最適化ができる」(同社 ビジネス開発本部 MIビジネス開発部 高階英治マネージャ)という。さらに、効果を検証するレポートを作成する機能も備えている。
宮田執行役員は「企業へのIT導入により、業務の効率化や自動化は進展したが、一方では、情報をうまく使いこなせていないのではというような認識が小売業にはあるようだ」と述べ、「これまでは、『情報の見える化』は、どちらかといえば過去の状況がよく見える、といった感が強かったが、意思決定の支援には、過去のデータを単に見るだけでは十分ではない。今回の製品は、分析、予測、最適化という、SASの強みを活かしたソリューションであり、ITが経営のサポートをすることができる」としている。
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