厚生労働省は17日、薬事法施行規則などの一部を改正する省令案を公表、意見募集を開始した。同省令案に従えば、医薬品のネット販売は大幅に制限されることになる。業界団体の日本オンラインドラッグ協会は「現在はインターネットで購入できる、解熱鎮痛剤や風邪薬、胃腸薬、水虫薬などの販売もできなくなる」と反発を強めている。

2006年6月に公布され、2009年春にも施行が予定されている改正薬事法では、リスクに応じて医薬品を「第1類」「第2類」「第3類」の3種類に分類。今年7月には、厚生労働省の検討委員会が、各分類の医薬品販売方法の在り方について報告書の中で言及。

同報告書によれば、第1類は「情報通信技術を活用した販売は適当でない」、第2類は「対面の原則が担保されない限り、販売することを認められない」とし、この2分類の医薬品のネット販売について否定的な見解を提示した。

ヤフー、楽天などは、この報告書に基づく医薬品のネット販売規制強化に反対する意見書を舛添要一厚生労働大臣に提出。日本オンラインドラッグ協会も、ネット上でのコミュニケーションなどで対面販売と同効果を持つ情報提供などを行っていくとしたガイドラインを発表した

だが、同報告書を受け今回公表された省令案では、第一類と第二類の医薬品については、医薬品に関する情報を直接提供できる対面販売を原則化。これができないネットショップなどについては「第三類医薬品以外の医薬品を販売し、又は授与しないこと」と明記した。

この規定に従うと、第三類には分類されていない解熱鎮痛剤、風邪薬、胃腸薬、水虫薬、妊娠検査薬、漢方薬などのネット販売はできなくなる。

日本オンラインドラッグ協会では、「これは実態にそぐわない規制強化であり、到底納得できない。今後、パブリックコメントへの意見書提出などの形で、一般用医薬品をリスク分類に関わらずインターネットで購入できる環境を目指し、活動を続けていきたい」としている。