グローバルでの再編の中でネットコミュニティに注力 - HP日本研究所

      [2008/09/12]

    HP日本研究所

    HPは本日、グローバルで進むHP研究所の再編の中で、HP日本研究所の取り組みについて、記者説明会を行った。HP研究所は、東京のほかパロアルト(米カリフォルニア)、ブリストル(英)、サンクトペテルスブルグ(ロシア)、ハイファ(イスラエル)、バンガロール(インド)、北京にあり、23の研究組織で600人の研究者がいる。

    そしてHPは今年の3月、昨年の8月に所長に就任したプリス・バネルジーのもと、HP研究所の再編を発表した。

    再編では、従来は小規模な150のプロジェクトを実行していたものを、「情報爆発(Information explosion)」「インターネット上で展開するサービス群の提供(Dynamic cloud services)」「データの変換(Content transformation)」、「高機能なインフラストラクチャ(Intelligent infrastructure)」「持続可能性(Sustainability)」の5つの分野にフォーカスした20から30の大きな研究プロジェクトを実行するように変更した。

    HP研究所が注力5つの分野

    情報爆発
    (Information explosion)
    インターネット上のデータなど爆発的に増加するデジタル化された情報の管理と活用
    インターネット上で展開するサービス群の提供(クラウドコンピューティング)
    (Dynamic cloud services)
    個人、ビジネスを問わず、インターネットを介してアクセスするオンデマンドサービスの将来の姿。高度な機能を持ち、ユーザーの嗜好、予定、場所、状況に合わせたサービスを提供
    データの変換
    (Content transformation)
    アナログからデジタルへ、デバイスからデバイスへ、デジタルコンテンツから手に取れる製品へ
    高機能なインフラストラクチャ
    (Intelligent infrastructure)
    ユーティリティコンピューティング、スマートデータセンター、仮想化、自動化による技術革新
    持続可能性
    (Sustainability)
    経費の節減を実現しつつ、環境への負荷を抑える低炭素経済へ貢献する省スペースでコストを抑制できる技術、ITインフラストラクチャ、新たなビジネスモデルの研究

    そして、新たな取り組みとして、HP研究所の一部の研究の初期段階を公開するWebベースのサービス「HP IdeaLab」設け、利用者や開発者のコミュニティからのフィードバックを受けられるような仕組みや、HP研究所の研究開発に積極的に関われるWeb上のフォーラムを公開。

    また、教育機関や政府、企業との戦略的な共同研究関係を強化する「Open Innovation Office」を開設し、共同研究の推進を図るほか、研究開発結果を迅速に製品化、サービス化する「Technology Transfer Office」を設立し、研究所と事業部の人間が共同で事業の立ち上げをサポートするという。

    HP日本研究所所長 小田弘美氏

    このようなグローバルでの再編の中、HP日本研究所所では今年の4月に所長に就任した小田弘美氏のもと、クラウドコンピューティングとデータの変換分野での研究に取り組む。

    具体的には、オンラインコミュニティにおけるユーザー行動の分析、情報伝播、トラスト、プライバシー、言語解析、インタラクティブメディア、ユーザーコンテキスト、センサー・デバイス環境、ユーザーインタフェースを研究するという。

    HP日本研究所の研究領域

    そして、最近の成果として、インタラクティブビデオストリーミングが紹介された。これは、ビデオストリーミングをインタラクティブな領域とそうでない領域に分けてエンコードし、インタラクティブな領域に離れた場所から別のビデオを挿入し、あわさって表示されるように1本のストリームに合成するというものだ。この技術は、ストリーミングビデオ広告として、事業化する計画があるという。

    インタラクティブビデオストリーミング

    このほか他企業との共同研究としては、ココアとの3D仮想空間におけるユーザーコミュニティ支援に関する研究や、東京海上日動システムズとの社内SNSによる人間ネットワークの可視化を足がかりに、ICTを活用した企業内コミュニティ支援に必要な要素の分析を行っているという。

    ココアとの共同研究

    このように日本においても今後、大学との産学連携、HP事業部との協調体制、他企業との共同研究など、オープンイノベーションとコラボレーションを強化する。

    産学連携では、研究公募制度による共同研究対象拡大、インターン/ポスドク制度を用いた交流拡大。HP事業部との協調体制では、日本HP社内の技術情報共有ポータル「Collabo」を開設し、組織を超えたコミュティサイトの構築を行っているという。

    日本HP社内の技術情報共有ポータル「Collabo」

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