日本ネクサウェブは9月11日、企業の基幹システムをWebアプリケーション化するソリューション「Nexaweb Advance」の提供を開始すると発表した。

ネクサウェブ・テクノロジーズ 最高執行責任者 デイビット・マクファーレ氏

米国本社であるネクサウェブ・テクノロジーズの最高執行責任者であるデイビット・マクファーレ氏は「レガシーシステムのメンテナンスコストはどんどん上がっている。特にUSのマーケットでは対応できるエンジニアが減っている。また、レガシー環境は開発生産性も低く、オフショア開発も活用できない」と、レガシーなシステムを維持して行くことの問題を指摘。さらに「競争力を高めるためには、よりリッチで魅力的なユーザー体験を提供しなければならず、そのためにはWebが必要だ」と、既存の基幹システムのWebアプリケーション化する必要性を語った。

ネクサウェブでは、基幹システムのWebアプリケーション化を行う手法を「Modernization(モダナイゼーション)」と呼んでいる。通常のレガシー・マイグレーションが既存システムと同様の動作を新環境化で実現するのに対して、新たな仕様変更や追加を吸収し、アプリケーションの仕様をモデル化し、ドキュメント生成までをトータルで行うのがモダナイゼーションだ。「Nexaweb Advance」はこれを実現するソリューションだという。

Modernizationとは

「Nexaweb Advance」は3つの要素で構成される。エンタープライズリッチクライアントWebプラットフォームである「Nexaweb」と、RIA開発基盤フレームワーク「Reference Framework」、レガシーアプリケーションの変換プロセスである「Tranformation Process」だ。

Nexaweb Advanceの構成要素

さらに「Nexaweb」は、クライアントエンジンを選択できる「Universal Client Framework」、httpおよびhttpsによる通信機能を提供する「Internet Messaging Bus」、J2EEアプリケーションサーバ上で既存Javaアプリケーションとの連携機能などを提供する「Enterprise Data Services」で構成されている。

Nexawebの製品構成

この中で、特にレガシーシステムのWebアプリケーション化にあたって活躍するのが「Tranformation Process」だ。「Tranformation Process」はCOBOLやVisual Basic等で記述されたソースコードから、フローチャートを自動生成する。ソースコード中に含まれる日本語でのコメント等もフローチャートに反映されるため、ソースコードを読むことができないエンジニアにも理解できる形になるのが特徴だ。さらに、ソースコード内からパターンを発見し、モデリングを行う。この時にUMLによるドキュメントの生成も行われる仕組みだ。

ネクサウェブ・テクノロジーズ 技術部門統括責任者 ロバート・ガニエ氏

「既存アプリケーションのモダナイゼーションは、過去の資料がなく、技術的ノウハウも不足する中、従来システムを超える性能を要求されるなど難しい部分がある。しかし、「Nexaweb Advance」を利用した場合、開発者はレガシーなシステムを意識することなく、モデルを変更することもできる。変換されたアプリケーションはレガシーシステムと同じ見た目にすることもできるため、ユーザーを再トレーニングする必要もない」とネクサウェブ・テクノロジーズ 技術部門統括責任者であるロバート・ガニエ氏は語った。

Nexaweb Adbanceのビジネスモデル

日本ネクサウェブでは、日本での展開について「Nexaweb Advance」によるモダナイゼーション・ビジネスの強化に加えて、エンタープライズ市場におけるRIA提供ベンダーとしてのリーダーシップを確立するという主要戦略目標を掲げている。これを実現する具体的な施策として、パートナー・ビジネスの拡大、販売支援体制の拡充、製品機能及び品質の強化という3つが挙げられている。

日本ネクサウェブ 代表取締役 藤岡健氏

代表取締役である藤岡健氏は「日本法人設立当時から、販売はパートナーを通じて行ってきたが、1月から支援プログラムを開始する。検討、開発、運用・保守といった各フェーズに応じた支援プログラムを提供する。具体的には、トレーニングの提供やマーケティングのプロモーションなどを予定している。

また、販売体制についても強化を行う。現在は10名体制だが、マーケティング部門を新設し、コンサルテーションビジネスを専門にする部門を立ち上げる。今後3年間で3から4倍の人員規模を揃え、パートナー、ユーザーのサポートをしていく予定だ」と語った。日本ネクサウェブでは、今後3年間で売上規模を10倍にするという目標を掲げている。

パートナー支援プログラム