「iTunes 8」

米Appleは9日(現地時間)、米カリフォルニア州サンフランシスコで開催されたスペシャルイベントにおいて同社音楽プレイヤーソフト最新版の「iTunes 8」を発表した。App Storeやビデオレンタル、Cover Flowといった前バージョンまでの新機能を継承し、基本デザインはそのままだが、UIの面で何点か改良が行われているほか、新機能「Genius」を追加している点が特徴となる。

Geniusは音楽の新しい楽しみ方を提案する機能で、iTunes 8右下に配置された[Genius]ボタンを押すことで呼び出せる。Geniusを呼び出すと、iTunesのライブラリ上に保持する楽曲を基に最適なプレイリストを自動生成する。Geniusで生成されるこのプレイリストはAppleのiTunesサーバが各ユーザーから収拾したプレイリストや人気楽曲などの情報をベースとしており、これを基に同機能を呼び出したユーザーに対してプレイリストを再提案する形となる。いつものありきたりなプレイリストや自分のアレンジだけでなく、まったく新しいスタイルを発見できるかもしれない。なおAppleによれば、Geniusの基となるデータ収集にあたっては、ユーザーの匿名性を遵守しており、ユーザーを特定するようなことはないとコメントしている。

音楽ライブラリを見る場合、アーティスト別やジャンル別などの情報を、画面上部のタブで切り替えて表示できるようになった

このほか、溜め込んだコンテンツ・ライブラリを閲覧するためのブラウズ機能の強化も行われている。例えば音楽ライブラリを見る場合、アーティスト別やジャンル別などの情報を、画面上部のタブで一発で切り替えて整理することが可能。ビューの内容も充実しており、俯瞰性が向上している。

iTunes 8の提供開始は発表日の9日で、現時点ですでに無償ダウンロード可能になっている。

またAppleではiTunesのアップデートに合わせ、販売コンテンツの拡充も発表している。1つはHD動画の配信で、例えばレンタルビデオの場合、SD画質で1.99ドルのコンテンツがHD画質で2.99ドルと、1ドルの割増料金で楽しむことができる。また同日にNBCとの提携も発表しており、「Heroes」「The Office」「Battlestar Galactica」「Monk」「30 Rock」などNBCが持つTVシリーズがiTunes Storeを通して楽しむことができるようになった。NBCのライブラリとしては新作だけでなく、「Knight Rider」「A-Team」「Miami Vice」などの日本でもお馴染みの旧作ライブラリも揃っている。