Razor - Profile and Optimize Web 2.0 Ajax Performance

WebアプリケーションやWebページのデバッグ・分析にはFirebugが重宝する。しかしながらFirebugはFirefoxのエクステンションとして開発されているためIEやSafari、Operaといったほかのブラウザで作業する場合はそのブラウザ向けに提供されているツールかまたはFirebug Liteを使う必要がある。Firebug LiteはFirebugの機能をほかのブラウザにも提供する興味深いクロスブラウザツールだが、Firefoxに提供しているのと同じ機能はまだ提供できていないし、うまく動作しない機能もある。

そこでクロスブラウザAjaxアプリケーション分析ツールRazor Profilerに注目したい。Razor Profilerはデプロイ済みのJavaScriptベースWebアプリケーションになんの変更を加えることなくオンザフライで観測と分析を実施するためのWebアプリケーション。さまざまなWebブラウザに対応しており、今すぐにでもグラフィカルな分析が可能なところが興味深い。どういった分析が実施できるかはデモから簡単に実施できる。トップページから任意のURLを入力して分析することも可能だ。

Razor Profilerの使用例その1

Razor Profilerの使用例その2

Razor Profiler自身はJava EEおよびJavaScriptで開発されたWebアプリケーション。対応しているブラウザはFirefox 1系および2系、IE 6系と7系、safari 3系。大量のリソースを消費するため、デプロイには1GB以上のメモリと1GHz以上のプロセッサが推奨されている。

Razor Profilerはプロクシとして動作しオンザフライで分析用の処理挿入とデータストアを実施する。プロクシとして動作するといってもWebブラウザの設定を変更する必要はなく、用意されているページにURLを入力してボタンを押せば別ウィンドウでサイトが開き分析が開始される。ロギングを終了すればあとは分析結果が表示されるというものだ。ブラウザごとにエクステンションのインストールなどが不要ですぐに分析できる。

Razor Profilerは2008年9月での一般公開が予定されており、執筆現在ではまだ公開されていない。さらにRazor Profilerの次のステップとしてJavaScriptを最適化して"What You Get Is What You Need (WYGIWYN)"を実現するためのRazor Optimizerも公開するとされており動向が気になるプロダクトだ。今後も同プロダクトに注目しておきたい。