Android搭載モバイル端末向けに、米Googleがアプリ配信サービス「Android Market」を用意する。デベロッパとユーザーを結ぶオープンなコミュニティになるという。Open Handset Allianceのプロジェクト・ブログで、Android Mobile PlatformのEric Chu氏が明らかにした。

Chu氏はアプリをコンテンツと呼び、Android Marketをオープンコンテンツ配信システムと説明している。Googleのインフラと検索技術を利用して、デベロッパが作成したコンテンツとユーザーを結びつける仕組みになるという。たとえば、YouTubeのようにユーザーによるフィードバックやレーティングの仕組みが設けられる。

今年7月にAppleが開始したiPhone/ iPod touch向けアプリストア「App Store」では、セキュリティやアプリの品質を維持するために、同社によるアプリ審査をアプリ提供者に課している。Android Marketはよりオープンな仕組みになっており、1.マーチャント登録、2.コンテンツと説明をアップロード、3.パブリッシュの3ステップのみでアプリを配信できる。「デベロッパがコンテンツを提供する上で、オープンで妨げのない環境が必要であると、われわれは考えており、そのため"ストア"ではなく"マーケット"という言葉を選択した」とChu氏。マーチャントにダッシュボードや配信状況の分析ツールを提供する計画も進めているという。デベロッパにとって快適な仕組みになりそうだ。ただYouTubeでは違法コンテンツ対策を講じていても、完全に防ぎ切れていないのが現状である。コミュニティベースのAndroid Marketでアプリの品質を維持し、その内容をスクリーニングできるかが気になるところだ。

公開されたAndroid Marketのワークフローイメージからホーム画面

アプリに対するコメントとレーティング

アプリがアクセスする機能を明示

ダウンロード入手したアプリの一覧

サービス開始時期については、今年第4四半期に初のAndroid端末が登場する時にはベータ提供を行う見通しを明らかにしている。まずは無料アプリケーションのみを配信し、その後アップデートを通じて有料コンテンツへの対応、バージョニング、複数のデバイスのプロフィールサポート、分析ツールなどの機能追加を行うという。