初のAndroid搭載端末になるとみられる台湾HTCのDream端末の概要が、8月18日(現地時間)に米連邦通信委員会(FCC)がWebサイトに掲載した資料によって明らかになった。2008年後半のリリース予定のみが伝えられていたAndroid搭載携帯だが、18日には長らくアップデートが止まっていた同SDKの最新ベータの配布が開始されたこともあり、ようやく製品発表までの道筋が見えたきた。HTC DreamのローンチパートナーはT-Mobile USAで、現時点では秋頃の正式リリースを予定している。

FCCの資料によれば、製品名は「Dream」、型番は「DREA100」となっている。GSM / GPRS / EDGEのほか、IEEE 802.11b/gの無線LAN、T-Mobileの1.7GHz WCDMAに対応する。5×3インチの大型タッチパネルとスライド式のQWERTYフルキーボード、そして"ジョグボール"と呼ばれる装置を搭載し、タッチスクリーン/キーボード/ジョグボールの3通りの方法で操作を行える点が特徴。AppleのSafariが採用するWebkitをベースにしたWebブラウザが搭載されており、Google Mapsなどのアプリケーションもそのまま利用できるため、iPhoneライクなプラットフォームになりそうだ。端末が一般にお披露目されたのは今年5月に米Googleが開催した開発者イベント「Google I/O」での席で、同社のAndroid SDKとともに端末のプロトタイプが紹介された。

HTC Dreamについての最大の懸案事項はAndroidのリリースの遅れから来る製品発表の延期だったが、今回FCCの認可が明らかになったことで、こうした不安も払拭される形になった。Google側が最終ベータバージョンにあたるAndroid SDK 0.9を発表したことも、こうした不安やGoogleのサポート体制に対する業界の不満を和らげることにつながっている。現在HTCではDreamの発売時期を"秋"とアナウンスしているだけだが、今回のFCCによって公開された資料によれば11月10日が製品ローンチ日に設定されている。時期が前後する可能性こそあるものの、同日にはHTC、T-Mobile、Googleの3社による何らかの正式アナウンスやイベントが行われるものとみられる。