iPhone 3Gを片手に第1四半期決算を発表するソフトバンクの孫正義社長

ソフトバンクは5日、2008年度第1四半期(2008年4月-6月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比158億円減の6,472億円、営業利益は同63億円増の850億円、当期純利益は同57億円減の193億円となった。携帯電話端末の割賦販売制が浸透したことで機種変更が減少、売上減につながったが、営業費用が削減されたことで営業利益は増加とした。

主力の移動体通信事業(ソフトバンクモバイル)で端末の売上高が約139億円減少したことが、グループ全体の売上減に大きく影響した。ソフトバンクモバイルは2006年9月に開始した販売方式「スーパーボーナス」で端末の割賦販売を本格導入したが、支払い(および特別割引)が24カ月にわたるため、2年以上同じ端末を使い続ける加入者が増加し、当四半期の端末買い換え台数は前年同期比37万台減の72万台となった。

2008年度第1四半期の主な業績

スーパーボーナスの浸透で機種変更件数が減少

しかし解約も減少しており、当四半期の解約率は1%を割り込んで0.98%にまで改善。3G契約に限れば0.72%まで下がっている。ソフトバンクの孫正義社長は「機種変更の台数が減っているとき、解約率が増えたら危険信号だが、解約率が減って機種変更も減ればねらい通り。経営的には一番望ましい方向に向かっている」と話し、長期間同一の端末を利用する加入者の増加は、端末の調達コストや販売に関わる営業コストを削減できるので、経営効率の改善につながると歓迎した。これによりグループ全体の営業利益は8.1%増加し、純利益も前四半期に比べると減少したが、特別損益や一時的要因を除けば順調に増加しているとする。

当期純利益は減少しているが、一時的要因を除けば順調に推移しているとする

また、孫社長は決算発表会の席上、7月11日に発売した「iPhone 3G」について、その利用体験を「人生観が変わるほどのインパクト」と表現し、実に約20分間にわたってさまざまな機能やソフトの使い方を披露した。発売直後は各店舗での入荷量が限られたため、なかなか入手できないという不満の声も寄せられていたが、これに対して6日よりiPhone 3Gを取り扱う全店で予約を受け付けることを明らかにしたほか、従来5,985円固定だったパケット料金を最低1,695円(上限額は据え置き)からの段階制にすることを発表した(詳細のニュース記事)。

iPhone 3Gのパケット通信料について段階制を導入

そのほか、未発表事項ながら、カシオ計算機がソフトバンク向けの携帯電話を開発中であることを質疑応答の中で認めた。

(詳報は追って別のレポート記事でお伝えします)