ビジネスやバケーションで米国へと向かう旅行者たちは、手持ちのノートPCや携帯電話などの電子機器の取り扱いに注意したほうがいいかもしれない。米Washington Post紙は8月1日(現地時間)、国土安全保障省(U.S. Department of Homeland Security: DHS)の2つの関連機関が7月に制定した新ポリシーの下で、国境を通過する旅行者の所持する電子機器のデータの非同意検査が可能になったと報じている。これにより、犯罪者ではない普通の旅行者であれ、同国政府の関連機関がそれら所持する電子機器を取り上げたり、検査のためにデータのコピーを行う可能性がある。
DHSによれば、入国管理を司る2つの関連機関が7月16日に制定した新ポリシーでは、外国人ばかりでなく、米国へと入国する人物であれば米国民であれ、すべての旅行者に対して検査の可能性があるとしている。強制検査自体はすでにこれまでにも実行されてきたものだが、正式にルールとして明かされたのは先月が初めてだったという。Washington Postによれば、こうした強制検査で旅行者が手持ちのノートPCや電子機器などを没収されるケースは過去何カ月にもわたって報告が行われており、市民団体やビジネス旅行者団体などが政府に対して事情説明を求めていた経緯がある。暗黙のルールとして運用されてきたものが正式に発表されたのが、先月制定の新ポリシーだったというわけだ。
荷物検査を電子機器内に記録されたデータにまで持ち出す第1の理由は、増加するテロの脅威に対抗するためだ。DHSではコピーしたデータは翻訳、暗号の解除、あるいはそれ以外の理由で利用するとしている。もちろん検査対象はノートPCだけでなく、iPodや携帯電話、さらにはビデオテープ、紙のドキュメントまで、あらゆる情報媒体にわたる。米国政府が最も恐れるのはテロ組織関連のものだが、また同時に規制対象として児童ポルノなどの画像なども含まれているようだ。
このように問題行動やいっさいの理由なしに勝手にデータの吸い出しが行われることは、普通の旅行者にとっては迷惑な話だ。またノートPCや携帯電話などには非常に個人的な情報が記載されていたり、あるいはビジネスやクライアントの機密情報が記録されている可能性もあり、こうした人々には非常にセンシティブな問題だろう。DHSではコピーしたデータは検査後に必ず破棄し、外部機関を利用する場合にはデータや書類の返却を必ず求めるとしているが、どこまで個人情報や企業秘密が守られるかは未知数だ。
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