独Siemensは7月29日(現地時間)、法人向け通信事業を分離し、米投資グループのGores Groupと共同でベンチャー企業を立ち上げることを発表した。Siemensの出資比率は49%。残り51%を出資するGoresが主導権を持つ。Goresは、自社が所有する2社も同ベンチャー企業に統合する計画だ。

Siemensの法人向け通信事業部は、Siemens Enterprise Network(SEN)と呼ばれ、ユニファイドコミュニケーションなど法人向けの通信機器やソリューションを提供している。今回の分離は、Siemensが2月に発表したリストラ計画に基づくものとなる。

SiemensとGores Groupは合計3億5000万ユーロを出資し、共同ベンチャーを立ち上げる。Gores Groupは、ネットワーク機器とセキュリティソリューションのEnterasys、コールセンターソフトウェアベンダーのSER Solutionsの2社を統合する計画。3社が合体することで、包括的なネットワーク・通信技術を提供できるとしている。

SENがドイツ・ライプチヒなど世界3箇所に持つ施設は新企業に移管される。新企業は、Siemensのブランド、ディストリビューションチャンネルなどを活用するという。SENの「OpenScape Unified Communications(UC) Server」など最新製品は残し、古い製品については移行パスを用意してスムーズな移行を進める。「HiPath 3000」などの製品は、今後も長期的にサポートしていくという。

この取引は、9月に完了を見込む。