米Oracleは7月28日(現地時間)、2007年3月に同社がSAPに対して起こした訴訟において、内容を拡大する2度目の修正申し立てを行ったことを発表した。今回のケースでは、PeopleSoftユーザーへのサポートを提供する米TomorrowNowがサポート文書を不正利用していたことをSAPが把握していたにも関わらず、Oracleへの営業妨害を目的として2005年にTomorrowNow買収に踏み切った点を問題にしている。Oracleは2007年6月にもSAP訴訟に関して修正申し立てを提出しており、前回はSAPがTomorrowNow買収後もサポート情報の不正利用を継続していたことを争点にしていた。

北カリフォルニア地方裁判所に提出された訴状によれば、OracleがPeopleSoft買収を仕掛けていた2004年、当時SAPの開発部門トップだったShai Agassi氏がPeopleSoftのサポートビジネスへの参入が将来的なOracleの収入源遮断につながるとして、同サービスを提供するTomorrowNow買収を画策した。買収に際してTomorrowNowを調査したところ、同サービスの違法性が発覚。SAP CEOのHenning Kagermann氏とAgassi氏ら複数の経営メンバーは、この情報に関する機密文書を受け取っていたにも関わらず買収を強行したと指摘している。

なお、SAPはつい先日TomorroNowビジネスからの撤退を表明しており、訴状で名前の挙げられているAgassi氏はすでにSAPを退職、2007年10月に電気自動車や電気スタンドなどを通じて環境問題への取り組みを行うProject Better Placeという企業を立ち上げている。