Java SE 6の最新版となるJDK 6 Update 7が公開されている。JDK 6 Update 7では13のバグが修正されているほかOlsonタイムゾーンデータバージョン2008bの同梱が実施されている。ただし、もっとも注目すべきはほかにある。JDK 6 Update 7からはじめてJava VisualVMが配布物に同梱されるようになったことだ。

VisualVM 1.0

Java VisualVMはJava仮想マシンで動作しているJavaアプリケーションの情報を視覚化するためのツールアプリケーション。Java仮想マシンが提供するデータを集約し再構築してユーザに対してさまざまな角度から情報を視覚化してくれる。アプリケーションのプロファイリングやトラブルシューティングに活用できるアプリケーションだ。プラグインを開発することでさらに機能を拡張できるという特徴もある。

VisualVM 1.0起動後画面

VisualVMは2008年5月に開催されたJavaOne 2008でも発表(VisualVMデモその1VisualVMデモその2)され注目を集めていた。VisualVMはそれ自体が新しい取り組みというよりも、従来からあるプロファイル機能や通信機能などを取りまとめてGUIツールとしてまとめ上げたものという意味合いが強い。JMXはもちろんNetBeans IDEで開発されてきたプロファイリング機能やJava SE 6のjstackコマンドなどを組み合わせて、最終的にGUIベースのビジュアライズツールを実現するというスタイルをとっている。

これまでサードパーティアプリケーションにはビジュアライズされた高度なプロファイリング機能や分析機能、改善機能などを提供するものがあったが、今回Sun JDK 6 Update 7にこの機能が取り込まれた点が注目される。従来よりもプロファイリングやパフォーマンス分析が簡単になったことで、アプリケーション改善への活用が期待できる。Java SE 6を使ったシステムやアプリケーション開発を実施している場合にはVisualVMの活用に注目したい。