東京都は7日、硫化水素自殺などへの対策を協議する「若者の自殺防止対策に関する検討会」の第3回会合を開いた。会合では、いのちの電話を運営する委員から「若者にとっては電話よりもネットでの相談が効果的」との意見が出た。さらに別の委員からは、「自殺に限らず、追い詰められた若者が悩みを相談できるポータルサイトを作ってはどうか」との提案があった。
第3回会合には、日本いのちの電話連盟常務理事の斎藤友紀雄氏、テレコムサービス協会の事業者倫理・インターネット委員会委員長の桑子博行氏らが出席。最終とりまとめに向け、最後の議論を行った。
日本いのちの電話の斎藤氏は、1997年から始めたネットによる相談の状況について報告。当初は、「ネットにのめり込む若者に対しネットで相談に応じることは、彼らの病理性を助長するのではないか」など、ネット相談に対する消極的な意見も多かったという。
だが、ネット相談を継続するうちに「ネット相談と若者の相性が非常にいい」(斎藤氏)ことが徐々に判明。ネット相談を行っているドイツや英国と同様、「若者たちからの相談がネット相談の7割を占めるに至った」(同)という。
斎藤氏は、「ネットは自殺などの悩みを訴えるに適したメディア。現在ネット相談員は約30人いるが、寄せられる相談が多いためすぐには即答できず、2~3日待ってもらうような状況になっている」と現在の状況を説明。その上で、「ネットでの相談はすぐれて予防的な意味を持つ」とその意義を強調した。
また、テレコムサービス協会の桑子氏もこれを受け、「ネットでの相談を利用して自殺を思いとどまるケースも実際に多い」と発言。「自殺に限らず、追い詰められた若者が悩み事を何でも相談できるポータルサイトを設けてはどうか」と提案した。桑子氏はさらに、「相談では、苦しい気持ちをまず受け止めることが重要」とも話した。
また会議の最後に、防衛医科大学校 防衛医学研究センター教授の高橋祥友氏は、「硫化水素自殺などの問題でネットが叩かれる傾向にあるが、インターネット叩きをしても仕方がない。そういう短絡的な議論をすることで、ネットへの規制が強まるほうが怖い」と指摘。「硫化水素自殺については、既存のメディアとネット情報の悪循環が事態を深刻化させた要素が強く、今後は冷静に議論をしていくべきだ」と訴えた。
同検討会では、今回の最終会合の議論を踏まえ、委員間の調整を経た後、2~3週間以内をめどに最終とりまとめを行う予定だ。
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